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新型コロナ拡大防止対策−緊急シンポジウム(4)

本紙掲載日:2021-09-08
3面

増える自宅療養者、背景に家庭内感染の増加

◆保健所はパニック状態

 「きょうも、午前中まで体調が良かった人が昼から急に悪化して緊急入院になった。デルタ株の在宅療養はリスクが高く、それをどう減らしていくか考えていかなければいけない」。県新型コロナウイルス感染症調整本部特任医師の佐藤圭創医師はシンポジウムで、増加する自宅療養者の対策が急務だと訴えた。

◆在宅療養

 国は激増する感染者に対応するため、原則、軽症者を自宅療養とする方針を示しているが、自宅療養者は容体が急変する危険がある。

 佐藤特任医師は、県北でもステロイドを大量投与している患者が非常に増えており、「国や感染症学会が示す治療法はもう古く、それをやっていては命が助からない」と指摘。県北独自に調薬や治療手順をまとめ、共有していくとした。

 自宅療養者数は日によって流動的だが、第5波に入ってからは大幅に増え、県内は8月下旬から今月当初には700人超まで拡大。感染者の爆発的な増加で、原則全ての陽性者を入院または施設療養で隔離する県の方針は事実上、不可能となっている。

 自宅療養が増えている背景には、家庭内感染の増加があるという。佐藤特任医師は、デルタ株が子どもに感染しやすいため、そこから家族全員に拡大するケースが多いとして、「誰かが子どもの面倒を見なければいけないということで、自宅にとどまる家庭が非常に多くなっている」と報告した。

 こうした対応に担当職員の負担も増大。佐藤特任医師は「対策関係者は足りていない。特に保健所はパニック状態だ。土曜も日曜もなく毎日、夜中までずっと仕事をしている」と窮状を伝えた。

◆医療、援助関係者もいっぱいいっぱい

 宿泊療養施設についても、「医師会の先生方や看護師会、薬剤師会などからいろんな方に来ていただいているが、こちらもパニック状態で、行政、医療、援助関係者はもういっぱいいっぱい」と説明。自宅療養者への対応も重なる中、目の前の問題にどうにか対処しているのが現状という。

 県福祉保健部の重黒木清部長も自宅・施設療養者の対策が急務だとして、食料など生活支援セットの配布や、訪問看護師による健康観察態勢の強化、酸素濃縮器の配備に取り組んでいると説明。入院受け入れ病床の拡大にも努めているが、「すぐには実現できず、健康観察などに力を入れていく」のが精いっぱいだ。

 一方、地元の出席者は在宅医療体制の強化案を次々と提言。延岡市医師会の佐藤信博会長は、すでに医師会会員を対象にアンケートを実施しており、複数の医師から在宅医を引き受けてもいいとの回答を得たことを紹介した。

 在宅医療に力を注いでいる大貫診療所院長の榎本雄介医師(延岡市医師会理事)は、同診療所でも新型コロナと診断される患者が「今までになく増えている」と説明。現状では陽性者を保健所に報告して終わりだが、「医療行為は佐藤(圭創)先生が一手に引き受けている状況。これ以上感染者が増えたら、とてもじゃないが手が回らないし、佐藤先生が倒れたら終わり」と危機感を訴えた。

 医師会アンケートでは訪問診療に志願したと明らかにし、「これからはわれわれ一般開業医も自宅療養の患者さんを診たり、リモート診療、電話で相談に乗るということを本当に考えていかなければいけない」と主張。国の方針改変を見据え、医師が新型コロナと診断した時点で医療行為を始められる体制を整備しておく必要性を説いた。

 榎本医師はまた、新型コロナ以外の病気でも自宅療養者が激増していると報告。感染防止の面会禁止で家族らに会えなくなるからと入院を拒んだり、「一日でも早く帰りたい」と訴える入院患者が非常に多いという。

 それに伴い、自宅で息を引き取る人のみとりも「昨年、今年と相当増えて、過去最多をどんどん更新している状況」と説明。コロナ禍によって、将来的にも在宅医療のニーズが高まっていく可能性を示した。

 県済生会日向病院の林克裕院長は、重症化予防に非常に有効な抗体カクテル療法が、いったん保健所を通さないと使えない現状のもどかしさを強調。「時間が経過するほど効果が薄れていく」として、その場で治療が開始できる仕組みづくりを切望した。

 これに対し、県福祉保健部の重黒木清部長は、同療法が外来でも提供できるよう、国が規制緩和を進めていると報告。延岡保健所の救仁郷修所長は、「新型コロナウイルス感染症」だった名称が、今年2月の厚生労働省通知から「新型インフルエンザ等感染症」に変わったとして、感染症法上の取り扱いも変わる可能性に言及した。

 佐藤医師会会長は、「患者に接触しないオンラインでの経過観察や、必要な薬を玄関先まで届けるといったことだけでも、保健所の負担はずいぶん減るのではないか」と、アンケートの意見を総括。訪問看護ステーションにも協力を求めていく考えを示した。

◆新たな変異種の脅威、基本的な対策を

 小中学校などでは新学期が始まり、子どもからの感染再拡大や、ラムダ株、ミュー株といった変異種の脅威もある。当面の基本対策として、佐藤特任医師は「とにかく人が多い場面ではマスクを外さないことだ。ウレタン製を使う人は多いが、不織布に比べたら圧倒的に防御力が低く役に立たない」と話した。

 地元選出の県議会議員は「これまで人口の6、7割がワクチン接種すれば集団免疫ができると言われていたが、今は100%を目指さなければいけないと強く発信していく必要がある」と強調。県北の地域医療を守る会の福田政憲事務局長は「きちんとしたメッセージを市長、医師会長、区長連会長の連名で出してほしい」と求めた。

 シンポジウム出席者は、感染防止対策の強力な推進▽ワクチン接種の促進▽受け入れ医療機関や宿泊療養施設の支援協力▽ワクチン接種についての適切な情報提供―を行うとする決議書を全会一致で採択。今後も続く新型コロナへの対応に向け、佐藤会長は「心折れないよう、みんなで一致して、同じ方向を向いて頑張りたい」と、さらなる結束を呼び掛けた。(おわり)

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