長寿祝いに防災用品

ポケットラジオ贈る−富美山町のみどり区

　敬老会に代わる取り組みとして、延岡市富美山町のみどり区（森口正輝区長）は２０日、地区のお年寄りに防災用のポケットラジオを贈って喜ばれた。

　みどり区は恒例の敬老会が新型コロナウイルス感染拡大防止のため中止となった昨年、どうにか長寿者を祝ってあげたいと組長らで協議。豪勢な弁当を提供しようにも、新型コロナで食品の取り扱いも困難と判断し、「何か形に残る物にしたい」「自分ではなかなか買えないが役立つ物がいいのではないか」と、区で力を入れている防災の用品を贈ることとした。

　そこで昨年は、防災グッズがセットになったエマージェンシーボトル（非常品容器）を贈呈。ＬＥＤ（発光ダイオード）の懐中電灯や雨具のポンチョ、保温シート、ホイッスル（笛）などが詰め合わせになり、ボトルも水筒として使えるため、受け取った住民からは大好評だったという。

　今年は、持ち歩きながら情報を得られるようにと、ワイドＦＭ対応の小型ラジオを採用。区内約１３０人分を用意し、夫婦世帯にはラジオ１台と、１人分は商品券をプレゼントした。

　各組長が個別に訪問して贈答品を手渡し、長寿を祝福。受け取った女性（８２）は「これまでは毎年、祝賀会が開かれていたので、ないのは寂しいですが、こうして、なかなか買えない物を頂けてありがたいです。ぜひ使いたいです」と喜んでいた。

　みどり区には土砂災害に警戒が必要な箇所が多く、現役世代が出勤して空白となる昼間に対応するシニア防災班を自主防災組織内に設けるなど、先進的な防災対策が高く評価されている。

　森口区長は「ポケットラジオなら炊事をしながらでも聞けるし、スマートフォンなどを持っていない人でも情報が手に入る。昨年の防災グッズと併せて活用してもらえたら」と期待を込めた。