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16日、のべおか「第九」演奏会

本紙掲載日:2021-10-05
6面

歌う会と延フィル、指揮者・山脇さん(延岡市出身)と初顔合わせ

◆1カ月半ぶりの練習再開「今こそ歓喜の歌を」

 ベートーベン作曲の交響曲第9番「合唱付き」を演奏する、第35回のべおか「第九」演奏会が16日午後5時30分から、延岡市東浜砂町の延岡総合文化センター大ホールで開かれる。本番を前にこのほど、指揮者を務める同市出身の山脇幸人さん(29)=東京都在住=が帰郷し、出演する市民合唱団・のべおか「第九」を歌う会(=歌う会、今村愛子会長)、市民オーケストラ・延岡フィルハーモニー管弦楽団(=延フィル、北林鉄平代表)とそれぞれ初顔合わせし練習した。

 新型コロナウイルス感染拡大の影響で、練習拠点である同センターの閉館が続いたため、この日は歌う会、延フィル共に練習自体が約1カ月半ぶりの再開となった。

 十分に練習を積んできたとは言えない状況だったが、会員、団員らは限られた時間それぞれに、山脇さんのアドバイスを一言一句聞き逃すまいと、真剣な表情で集中して練習に臨んでいた。

 山脇さんは、歌う会との練習ではパートごとにドイツ語の歌詞の発音や歌うテンポを確認。「しっかり顔を上げて」「歌い出しはもっとエネルギッシュに」などと的確に指導した。

 また、エキストラも参加しての延フィルとの練習では、ハーモニーの強弱などを細かく指導した。オーケストラにとって「第九」は、体力的にも技術的にも難度が高く、延フィルにとっては2000年8月の米国メドフォード市「第九」公演以来の挑戦となる。

 これまで、9月に開催予定だった「オペラガラ・コンサート〜華麗なるオペラの世界〜」と並行して練習を続けてきたが、新型コロナウイルス感染拡大の影響で同コンサートが急きょ中止されたため、団員らはそのショックを乗り越え、気持ちを切り替えて練習再開を迎えた。

 歌う会の合唱指導者の一人、延岡星雲高校教諭の柳田啓志さん(56)は「練習不足で至らない点が多いと思うが、われわれは一生懸命に取り組む姿勢を示すしかない。何とか山脇さんの指導に沿えるレベルに押し上げていきたい」と話した。

 感染対策のため、この日も会員、団員らはマスク着用などの感染対策を徹底して練習に参加。山脇さんもPCR検査を受け、陰性を確認して来延した。

 同演奏会は国文祭・芸文祭のプログラムとして昨年開催予定だったが、新型コロナウイルス感染拡大の影響で延期されていた。

 今回はベートーベンの名言「苦悩を突き抜け歓喜に至れ」をサブテーマに、出演者らは「コロナ禍で先の見えない苦悩の今こそ歓喜の歌を響かせたい」と意気込む。

 ソリストは、藤原歌劇団団員で、類いまれな声と舞台姿を兼ね備えていると評される笛田博昭さん(テノール、新潟県出身)、延岡市出身の今村雅彦さん(バリトン)、宮崎大学教育学部教授の藤本いくよさん(ソプラノ)、熊本市出身の岡村彬子さん(メゾソプラノ)。

 チケットは指定席4000円、一般自由席3000円、学生自由席(大学生以下)1500円。未就学児は入場できない。同文化センター、日向市文化交流センター、門川町総合文化会館などで扱っている。

 問い合わせは国文祭・芸文祭みやざき2020延岡市実行委員会事務局(電話延岡20・5553、市国文祭・芸文祭推進室)、未就学児の託児を希望する人は事前に、のべおか文化事業団(電話延岡22・1855)へ申し込むこと。


◆山脇幸人さんインタビュー
苦難の時代に県北で、その意味深く−地元を愛する心忘れない

−−新型コロナウイルスの影響で1年延期となり、いよいよ16日に本番を迎えます。改めて意気込みをお聞かせください。

私たちは今、本当に今後教科書に載るような、苦難の時代を生きています。そういう時にこそ、この「歓喜の歌」が響き渡る、しかもそれが県北の合唱団とオーケストラで。僕はそこに深く、今回の「第九」の意味を感じています。

−−山脇さんの考える「第九」とは。

「世界平和」「人類皆兄弟」という歌詞があります。苦難の先に世界平和がある。それが万国共通、時代を超えてベートーベン先生が残した僕らへのメッセージだろうと思います。

−−きょう初めて合唱団、オーケストラとの練習に臨まれました。それぞれの印象をお聞かせください。

なんと言いますか、合唱団(歌う会)は非常に雰囲気が柔らかく明るく、すごく受け入れてもらった気がしました。オーケストラ(延フィル)は延岡市外から集まってくる団員やエキストラも多いですから、多種多様な人たちがいる中でも、それぞれの音が合わさって鳴り響いてくる、そんな感じがしました。

−−限られた練習時間でしたが、どのようなことにポイントを絞って指導されたのですか。

「第九」と一言で言っても、指揮者やオーケストラによってさまざまですから、「僕はこういうふうにやりたいと思っています」という大きな枠を、きょうは皆さんにつかんでもらいたい。そう思って臨みました。

−−特にオーケストラにとって「第九」はプロ、アマチュア問わず、難度が高いと言われます。

そうですね。技術的に難しい部分もありますし、演奏時間も60分を超える大曲ですから、オーケストラとして、一つの目標になる曲だと思います。その曲に今回、市民オーケストラである延フィルが挑戦する。そこに意味を感じます。

−−コロナ禍で音楽活動も大きく制限されています。山脇さんご自身、どのような影響がありましたか。

昨年は半年間、完全に仕事がストップしました。そこから徐々に戻りつつあっても、またキャンセルになる、その繰り返しですね。
現在はフリーの指揮者として活動し、広島交響楽団、富士山静岡交響楽団、大阪交響楽団などプロのオーケストラとご一緒する機会が増え始めています。今後、全国各地で演奏会が予定されています。

−−プロとアマチュア、指導される際に心掛けていらっしゃることは。

一緒に音楽をつくるということに対しては、プロもアマチュアも同じです。ただ、どうしても技術の差がありますから、アマチュアに対してはトレーニングが必要です。プロは、トレーニングはあって当たり前ですから、そこは、音楽と音楽の化学反応を生み出す場になってきます。

−−指揮者として、目標にしていることを教えてください。

「われわれは優秀な音楽家を育てる前に、故郷を愛する人間にならなければならない」。これはある指揮者の名言なのですが、師である椛山達己先生(延フィル音楽監督、延岡学園高校吹奏楽部顧問)が僕に教えてくれた言葉です。
地元の人を、地元の自然を愛する心を忘れてはいけないということ。まさに僕も、そういう指揮者でありたいと思っています。

−−最後に、どのような演奏会になればとお考えですか。

こういう時代ですから、少しでも生の音楽に触れられて良かったと思ってもらえるような、そういう時間を共有できたらと思います。

【やまわき・ゆきと】延岡高校、東京芸術大学音楽学部指揮科を卒業後、バイエルン州立歌劇場で研修生(2015〜16年シーズン)として研さんを積む。その後、NHK交響楽団で首席指揮者パーヴォ・ヤルヴィ氏のアシスタント(19〜20年シーズン)を務めた。ロンドン・クラシカル・ソロイスツ指揮者コンクール第1位、第1回マスタリング・ヨーロピアン・マスターズ国際指揮者コンクール第2位、第18回東京国際音楽コンクール〈指揮〉ベスト8、第2回民音国際指揮者講習会ファイナリスト。延岡ロータリークラブ文化奨励賞を受賞。29歳。


◆ここ見て聞いて楽しんで−聞く人も私たちも感動の演奏会に
延岡フィルハーモニー管弦楽団の小滝雄太さん

 のべおか「第九」演奏会で、延岡フィルハーモニー管弦楽団の団員としてコントラバスを演奏します。

 県独自の緊急事態宣言が発令され、9月初めには普段使用している練習場が使えなくなることもありました。団員の中で、このような状況で練習をするべきだろうかという疑問も出ましたが、10月に皆さんに「第九」を届けるために、感染対策を取りながら工夫して練習を続けてきました。できるだけいい演奏会にするために合奏はもちろん、個人練習も引き続きしっかりと行いたいと思います。

 「第九」の中で一番有名な第4楽章「歓喜の歌」は合唱団も加わり、聞きどころになっています。このような環境で合唱を入れて演奏会を開くことは、なかなかないことだと思います。ベートーベンが書いた非常に素晴らしいシンフォニーなので、聞く人も演奏している私たちも感動して涙を流せる演奏会にしたいです。延岡市在住、31歳。

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