楽しさ、下の世代に伝わった

黒岩小中「くろいわ祭」

◆中学部生徒から小学部児童へ

　延岡市立黒岩小中学校（佐藤欣幸校長、４４人）の文化祭「くろいわ祭」が１７日、同市大野町の同校体育館であり、全校児童生徒が日頃の練習の成果を披露した。

　来場は児童生徒の同居家族３人までに絞り、昨年は行われなかった英語暗唱、弁論や合唱の発表もあった。またステージの様子はウェブ会議ツールで生配信され、来場できない人も会場の雰囲気を一緒に楽しんだ。

　このうち小学部の合唱では、１〜６年生２７人が「いのちの歌」を熱唱。コロナ禍で命の大切さを再認識したことを伝え、谷川俊太郎さんの詩「生きているということ」の群読も行った。

　中学部１７人による劇「年捨て山」は、７０歳を過ぎるとすぐに死んでしまう家系のぎんさんとその息子たちが、助けたお坊さんから〃年を取らない方法〃を教えてもらうところから始まる物語。役者それぞれが身ぶり手ぶりを加えながら、長せりふを見事に演じきった。

　実行委員長で劇にも出演した畠中夏実さん（１５）は「１カ月前から何度も通しで練習してきた。本番はかなり緊張したが、先輩たちの劇をずっと見てきて、その楽しさを今回、下の世代にも見せることができたと思う」と話していた。

　体育館の後方には、児童生徒が工作や美術の時間に制作した絵画作品なども展示。佐藤校長は「子どもたちの頑張りが十分に発揮された文化祭だったと思う。来場された家族の方はもちろん、日頃からお世話になっている地域の方たちにも元気を与えられたのではないだろうか」と目を細めた。