延岡の企業が選挙ｄｅクーポン

料理やドリンクなど、加盟２５店で無料や割引

◆「投票に行った」で特典−若者に衆院選をＰＲ

　若者の投票率向上、地元の店の知名度向上を目的に、ＩＴスタートアップ事業などを手掛ける延岡市北町のサンドウェーブ（前田遼代表）が「選挙ｄｅクーポン」の取り組みを始めた。「自分たちの街に関心を持つきっかけになれば」と期待する。

　選挙ｄｅクーポンは、投票に行ったことを示すことで、加盟店で食事時のドリンクや一品料理の無料提供、割引などサービスが受けられる取り組み。２６日時点で県北の飲食店などを中心に２５店舗が参加している。

　前田さんは大学進学時に上京後、県外で就職。昨年帰延し今年２月、同社を設立した。県外で生活していたため「延岡の若い人が政治に関心を持つ機会が少ないと感じていた」という。

　都会を中心に、投票することでサービスを受けられる取り組みが５年ほど前に広がったものの、地方への浸透はまだまだの状態。経営者として「選挙に関わりたい」と選挙日が決まって以降、衆院選に間に合うようと急ピッチで準備を進めてきた。

　投票率向上のほか、「コロナ禍で外出の機会が減る中で、店に行くきっかけになれば。延岡の名店を知ってほしい」と願う。県北各地の市町村議会選挙なども含めると、今後２年間でかなりの数の選挙が予定されており、「２年のスパンで取り組みを浸透させ、参加店舗も増やしていきたい」と意気込む。

　「自分事として捉える人が多い方が街の活気は増すと思う。自分事として捉える一つの方法が選挙」と前田さん。「延岡に住んでいる僕たち世代のみんなで街をつくっていく意識が生まれない限り街は楽しくならない。そのきっかけとして選挙ｄｅクーポンを利用してほしい」と呼び掛ける。

　クーポンを利用するには「来所証明書」を発行してもらうか、投票所の前で自撮りした写真を加盟店で提示する。期日前投票でも可。使用できるのは投票日の３１日以降、各店舗が定めた期間（１週間程度）で、加盟店は現在も募集中。サービス分の費用は各店舗の負担だが、その他の費用はかからない。詳しくは「選挙ｄｅクーポン」の公式ホームページから。問い合わせはサンドウェーブ（電話０５０・３５６５・４９００）。