４７７０万円の課税ミスが判明－延岡市

本紙掲載日：2021-11-18

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源泉所得税、固定資産税で

　延岡市は１７日、源泉所得税の徴収漏れや固定資産税の誤賦課が判明したと発表した。課税ミスは合計約４７７０万円で、市は市議会１２月定例会に立て替えや延滞税、還付金などを盛り込んだ補正予算案を提案し、議決後に税務署への納付や対象者への還付金支払いの手続きを行う方針。

　市職員課によると、源泉徴収漏れは、宮崎税務署が国税通則法に基づいて行った同市への源泉所得税調査で判明した。市発注の業務を受注した測量士や建築士ら個人事業主７２人（４１９件）から、２０１７年１月１日～２１年７月３１日までの間、徴収すべき委託料など報酬・料金分の所得税額約２０４９万円を徴収していなかった。

　また、派遣職員への住宅の貸与や長期研修に伴う食費などの源泉徴収漏れや源泉所得税額の誤りがあることも判明。計９２人（１４０件）の所得税額約２８３万円を徴収していなかった。

　市は個人事業主らの報酬・料金分は立て替え、対象者に経緯を説明して納付を依頼する方針。計約２５４万円の不納付加算税や延滞税は市が負担する。職員の申告内容に誤りがあった約９６万円の源泉徴収不足分は徴収し、税務署に納付する。

　固定資産税の誤賦課は、１９８３～２０１７年に新築された３社の店舗計４棟の評価額について、評価額や経過年数に応じた補正率を誤り、計２４３７万円を過徴収していた。

　市資産税課によると、１社（２棟）から評価額の積算根拠を求められた市が確認したところ、誤りが判明。他の店舗についても調査した結果、同様の誤りが２社の２棟にあることが分かった。

　市は、地方税法と租税特別措置法に基づき算出した還付加算金を含む計２６６０万円を対象者に還付する。

　市は、課税ミスの原因について、課税や徴収に関する理解不足などを挙げた。再発防止策については、チェック体制の強化や研修などを通じて担当職員の資質向上を図る方針。

　兒﨑文昭総務部長は「今後は対象者、市民の信頼回復のため、再発防止に向けて全力で取り組みたい」と述べた。