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「えんぱく」延岡などで開催中

本紙掲載日:2021-11-22
6面

12月12日まで計42プログラム

 延岡を中心とする地域を博覧会場に見立てて、さまざまな体験プログラムを展開する「えんぱく2021」の秋季版は、42日間の日程の折り返し点を越えた。12月12日まで、「外遊び」「匠(たくみ)」「食べる」「癒やし」の4ジャンルにわたる計42本のプログラムが行われる。


◆「えんぱく」−記者も体験「羽釜ご飯でおむすび」

 本紙記者(23)は先日、報道機関のモニターとして、「食べる」ジャンルのうち、23日開催されるプログラム「羽釜ご飯でおむすびを作ろう」を一足先に体験し、自然に囲まれながら炊きたてのご飯を味わった。

 会場は、田畑や山に囲まれた平屋建ての一軒家「学び舎ヒノワ(陽の環)」(延岡市北浦町古江)。カーナビを使っても迷子になりそうになりながら、なんとかたどり着くと、代表の小泉明子さん(54)と息子で職員の陽平さん(19)らが温かく迎えてくれた。

 同所は、木登りや畑仕事、室内遊びなどを通して公教育から離れた好奇心や体力を育み、自分に合った生き方を見つけるもう一つの学校。この日はヒノワの子どもたちも参加し、にぎやかな体験会となった。

 早速、陽平さんから手渡されたのは長さ10センチほどに切った1本の麻ひも。

「まずはこれを毛玉みたいにゲジゲジにしていきます」
「…毛玉?」

 困惑していると、陽平さんは慣れた手つきでこれをほどき始めた。

 こちらも見よう見まねでほどいていくと、一本一本の細かい繊維がほどけ、ふわふわとした謎の物体に仕上がる。確かに毛玉みたいだ。「これが良い着火材になるんですよ」と陽平さん。

 ここで単純に疑問に思い「火はマッチでつけるんですか?」と質問。すると後方から、事前にといだ米と水を入れた羽釜を運んで来た明子さんが「いやいや、火も自分でおこします。せっかくですから体験してみます?」。

 火おこしと聞いて真っ先に思い浮かんだのは、板に当てた棒をグリグリと回し、摩擦熱で火をおこす原始的なやり方。「これは体力勝負になるぞ」と身構えていると、出てきたのは、思ったより小さなストラップ形の器具だった。

 これは「ファイアースターター」といって、小さなマグネシウム棒「ロッド」を、付属の金属片「ストライカー」で勢いよく削り、火花を散らす道具。持ち運びやすく長持ちする利点から、キャンプなどでよく使われているそうだが、恥ずかしながら記者はこの日初めて知った。

 先ほどの麻ひもと、天然の火付け材になるという杉の葉を適量、新聞紙の上にまき、そこを目掛けてファイアースターターを勢いよく削る。しかしなかなか火が出ない。試しにストライカーの押し込む角度を調整して再度力いっぱいに削る。すると、かすかではあるが目視できる火花が飛び散った。周りから「おお!」と歓声。その後も他の参加者たちと10回交代で挑戦したが着火には至らず、最終的には陽平さんに頼ることに。ヒノワでも、ファイアースターターで着火できるのは彼だけなんだとか。

 無事着火し、燃え上がる新聞紙をそのままかまどに投げ入れ、薪を次々にくべていく。最初は強火で沸かして、後半は薪を極力入れずにゆっくりと釜の温度を下げていくのがおいしく炊き上げるこつらしい。

 米が炊き上がるまで風の音に包まれながら、のんびりとした時間を過ごす。すっかり仕事であることを忘れ、記者もしばらく目をつぶっていた。

 今回使った米は明子さんが神戸の知り合いから譲り受けた「サトノツキ」という品種。精米歩合は五分づき。ご飯に合わせる具材も含め、なるべく自然栽培のものにこだわったという。「五感を使って自然を味わうと、本当にシンプルなことでも人は十分楽しめるということが分かると思うんですよね」と明子さん。「古い生活の知恵や、自然の中での丁寧な暮らし、そういうことの中にこそ、人が本来大切にしなければならないものがあるような気がするんです」

 「そろそろいいんじゃないかな」と陽平さん。漏れ出る匂いがほのかに甘い。常温でしばらく冷まし、ふたを開けると、見事なまでに光り輝く白が眼前に広がった。米と米の間にちらほらと空白がある。これは「カニの足跡」といって、おいしく炊き上がった証しらしい。

「いただきます!」

 早速実食。顔ほどのサイズはある大きなのりにまず振りかけたのは、北浦産日高純塩の「海みたま」。米を上乗せして、優しく包み込む。具材は何も乗せず、まずは塩だけで。「いただきます!」かぶりついた瞬間、米一粒一粒が口いっぱいにほどけ、澄んだ成分が体中を駆け巡った。「甘い!お米ってこんなに甘かったんだ!」。しばらく沈黙し、気が付くと二口目、三口目。あっという間に完食してしまった。

 「今度は別の味を試してみよう」。のりを2分割してシソの塩漬けと、エゴマの塩漬けを加えたおにぎりを食べ比べ。見た目はそっくりな両者だが、味は全く異なっていて、エゴマの方が花の香りが強い。癖になるような味わいだった。

 その他にも、みそや梅干し、シソの実などバラエティー豊かな味がたくさん用意されていて、さすがに全部とはいかないが、たくさんの味を楽しませてもらった。

 全員が食べ終わり、奇遇にも明子さんと目が合う。お互い言わんとしてることは同じだった。口をそろえ、こう唱える。「やっぱ塩っすね」。


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