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「満願三十三社神たび」完成記念座談会(上)

本紙掲載日:2021-11-30
6面

こんなにあった、日向神話ゆかりの地


◆清め清まる旅で〃ふるさと再発見〃を−

 県北2市4町の観光協会でつくる「満願三十三社神たび実行委員会」が、県北に熊本県1市2町を加えた地域にある日向(ひむか)神話ゆかりの神社を網羅した冊子「満願三十三社神たび」を発行した。「神武天皇のふるさとをめぐる旅」のサブタイトル通り、日向神話に登場する神様とゆかりのある神社を案内している。悲願である県北の観光浮揚もさることながら、まずは地元の人たちに〃ふるさと再発見〃の旅を通じて誇りを持ってもらいたいというのが主催者の狙いだ。編集に携わった人たちに思いを語ってもらった。冊子は高千穂町、延岡市、日向市、五ケ瀬町、日之影町、門川町の各観光協会で無料配布している。

【出席者】後藤俊彦高千穂神社宮司、竹尾通洋高千穂町観光協会会長、松葉藤吉日向市観光協会会長、黒木繁人日向市観光協会会長代行、有留秀雄日向神話研究会会長、柳田米敏日向神話研究会会員、杉本隆晴日向神話研究会会員、谷平興二延岡観光協会会長。


◇神話は県北観光の核

【谷平会長】私はこの冊子を作るために会長をしていたような気がするほどの大業でした。「100万人を延岡に呼ぶんだ」と声を上げながら会長をやってきましたが、県北観光の核になるのは神話しかないと思うに至っています。天皇家につながる物語で、史跡や文書を検証した成果がこの冊子です。高千穂に訪れる150万人の観光客を、ぜひとも県北一円に導けるようにしたい。

【後藤宮司】戦後の占領政策で日本人の心は古典や伝統、従来の価値観と切り離され、国民の神話熱も失われてしまいました。しかし、近年それが再認識されるようになっています。十数年前に、伊勢神宮の遷宮が行われた頃から、爆発的な神話ブームが起き、若い人たちが御朱印帳を持って神社仏閣を巡るようになりました。これは日本人の心の奥底に息づいていた神話の根っこがよみがえったのだと思います。
高千穂は天孫降臨の地であり、延岡が出会いの聖地であることを皆さんが検証された。ですが、場所がどこがというよりも、神話そのものが尊いのであり、神話とは日本人に愛情や誇りを抱かせる大切なものです。
神話は国際的に政治利用されるなど、紆余(うよ)曲折がありました。ですが、今は逆に、それが生かせる時代。〃日向神話の本舞台〃という物語が、新しい国づくりの原動力になって、たくさんの人が訪れる時代が来ると期待しています。

【松葉会長】会長を務めて6年目ですが、当初から〃点の観光〃は厳しいと思っていました。この冊子の完成で、ようやく点から〃面の観光〃につなげることができたと思っています。この成果が、100年、200年の〃大計〃として広がるよう願っていますし、そうなると思っています。
県北地域が「天皇家のふるさと」という神話は唯一無二のもの。神話のルーツ高千穂、延岡、日向は大きな観光資源だと確信しています。ぜひ発展してほしい。
お舟出神話を少し話しますと、神武天皇が東征の時、風待ちが良かったことで、お舟出が1日早まりました。それが早朝だったため、子どもたちが寝ている人々を起こして回ったというのが「おきよ伝説」、おきよ祭りの始まりです。「立ち縫いの里」では、旅に急ぐ神武天皇が、立ったまま着物の裾のほころびを縫わせたという話が伝わっていますし、日向にはそういった伝説がいくつも残っています。

【竹尾会長】35年前に「神話の高千穂建国まつり」を始めた時に、「なんで特定の宗教を、神様をたたえるような祭りをやるんだ」とマスコミ各社から一斉にたたかれました。純粋に〃神話のまち〃を全国に発信したいんだと繰り返し説明しましたが、理解してもらえず、やめようかとも考えました。
ですが、われわれが作った衣装や刀を見た時に初めて、批判的だったマスコミがわれわれの思いを理解してくれるようになり、全国と全世界に発信してくれました。
高千穂の神話は一つの宗教というレベルのものではなく、日本人が認めたものであると、全世界に発信してよいと認められるものとして定着しているんですね。

【谷平会長】竹尾会長の目指したところは達成できたのではないでしょうか。現在は、コロナ禍で止まっていますが、タイ在住でのべおか観光大使の山口瑠璃子さんが、昨年、延岡を舞台に映画を作るために来延しました。タイのスタッフを連れてきたのですが、彼らの希望で高千穂に案内しました。高千穂神社では着物を着たり、お茶をたててもらったりして非常に喜んでいました。山口さんに聞くと「高千穂はタイでも有名です」と。こちらから勧めなくても、海外の人は日本に来たら高千穂に行きたがるのです。

◇神道は自然に対する礼儀作法

【後藤宮司】地元にも「『神話の高千穂の建国まつり』を広めるのはまずいのでは」と言ってくる人もいました。「建国記念日を祝うのがまずいのですか」と問い返すと「マスコミがうるさいから」と。
確かに少し前はそういう時代でした。政教分離という政策を取っている国があるのも分かります。ですが、日本の神社は外国人が考える宗教とは一線を画すもの。「教祖がいて、教義があって」というものではなくて、いにしえから山や野の草花に自然に手を合わせる、先祖の墓に手を合わせる。人々の暮らしの中からおのずと出た、自然に対するモラルや礼儀作法と言ってもいい。それを神聖な儀式として、祭りとして行ってきたのが神社なのです。

【有留会長】私は鍼灸(しんきゅう)師ですので、その立場から神話を捉えています。鍼灸師は経絡(けいらく)という概念を使います。つぼの流れのことですが、人間の神経を経絡と言い、経は縦の線、絡は横の線を意味します。縦の流れは、神武天皇から今上天皇までの流れで、横の流れが高千穂、延岡、日向につながる神話として広がってきた、と考えることができると思っています。
人は生きていれば神経、つまり〃神の道〃を大切にしなければなりません。神道とは〃神の道〃と書きます。道とは外国人が考える宗教とは違って、剣道や茶道と同じように極めていくもの。かつては生活の一部だったんですね。

◇神話ゆかりの地名多数

【杉本さん】延岡について話をしますと、延岡は元々〃あがた〃という地名で、「吾田」「英多」「縣」と書いたりしました。祝子川はホオリノミコトから、五ケ瀬川はイツセノミコトから、大瀬川はニニギノミコトとコノハナサクヤヒメが逢瀬(おうせ)を重ねた、アフセガワからと言われています。こういった名前がそのまま残ればよかったのですが、いずれも現代風になって味わいがなくなってしまった。当時、行政に携わる人が神話を知らなかったことが理由だと思いますが、われわれは昔の地名を大事にする必要があります。その点、合併して高千穂町、日向市となったこの二つの名前は日向神話にふさわしい、大成功の地名でしたね。

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