日向郵便局に強盗だ

年末警戒、日向署が捜査訓練

　人や現金の動きが活発化する年末年始を前に、日向警察署（垂水一洋署長）は７日、日向市鶴町の日向郵便局（福島幹人局長）で強盗事件捜査訓練を行った。

　午後２時ごろ、局内に入ってきた男が居合わせた客１人を人質に取り、刃物を突き付けて局員を脅し、カウンター越しに現金を奪って逃走―との想定で実施された。

　犯人役と人質役は署員が演じた。犯人役は、抵抗する人質役を押さえつけ、窓口の局員に大声で「金を出せ」と要求。模擬紙幣を袋に詰めて犯人役に手渡す間に、他の局員が非常通報装置を作動させ、犯人役の特徴を観察。犯人役が逃走すると同時に、局員２人がカラーボールを手に追い掛け、犯人役が乗った車を狙って投げ付けた。

　カラーボールは車体と車体下に見事に命中。うち１人が携帯電話を取り出し、逃走する車のナンバーを写真に撮るなど、機転の利いた行動が評価された。

　その半面、犯人役が局内に入り、現金を奪って逃走するまでの時間は、わずか３０秒程度。駆け付けた署員に局員から犯人役の特徴が伝えられたのだが、「眼鏡は掛けていなかった」と認識。しかし実際にはサングラスを着用しており、パーカーのフードを深くかぶっていたこともあって見間違えてしまった。

　杉尾昭彦刑事第一課長は「気が動転している状況下では、犯人の特徴を見間違うことが多い。防犯カメラの作動を点検するなど、普段から防犯意識を高めてほしい」とアドバイスした。福島局長は「犯人は決死の覚悟でやって来る。人命第一で対応していきたい」と話した。