架空請求詐欺、水際で防ぐ

コンビニ従業員・山口さんに署長感謝状−延岡署

　架空請求詐欺を水際で防いだとして、延岡警察署（久留米英樹署長）は１０日、ファミリーマート延岡高校前店（延岡市古城町）のパート従業員山口祥子さん（３４）に署長感謝状を贈った。

　同署によると、山口さんは勤務中の１１月２５日午前、電子マネーの購入方法を尋ねてきた５０代の女性客とやり取りする中で、詐欺被害に遭う恐れがあると直感。女性を説得した上で延岡署の生活安全課に連絡して被害を未然に防止することができた。

　女性客は「もうかる」「稼げる」とうたったインターネット広告にアクセスし、指定されたＳＮＳ（ソーシャルネットワーキングサービス）でやり取りする中、「３０万円の利益を受け取るためには、５千円の事務手数料が必要。コンビニで電子マネーを購入して写真を送ってほしい」と指示されていた。

　電子マネーは購入後に、商品に記載された番号をネット上で入力すると入金される仕組みになっている。山口さんは、電子マネーを購入しようとした際に不安を感じた女性客から、スマートフォンの画面でやり取りのメッセージを見てもらいたいと頼まれて詐欺の疑いが強いと感じたという。

　その時点ではあくまでも〃疑い〃だったため、女性に理解してもらえるよう、冷静な対応に努めたという山口さん。「とにかく被害を防げたことが一番。今回は画面を見せてもらえたが、電子マネーは購入する方の年代や金額によってもっと積極的に声を掛けていきたい。不安な場合はコンビニでもいいので相談してほしい」と話した。