活動に一区切り

つなごう！延岡・いわき支援プロジェクト

　「いわきへの思いや命の尊さ、防災意識が高まっていたらうれしい」と話すのは、２０１５年から芸術活動を通して東日本大震災の追悼、復興支援を続けてきた「つなごう延岡・いわき支援プロジェクト」（牧野哲久会長、末藤俊二実行委員長）。実行委員の高齢化もあり、先月開いた公演、作品展で活動に区切りを付けた。

　プロジェクトは、被災地支援に役立ててほしいとドイツ在住の画家・吉田義生さんが大作５点を無償提供したのが始まり。八木千穗子さん（７７）＝作品展部長＝、西垣昌代さん（７６）＝音楽公演部長＝、別宮正司さん（故人）らを中心に退職教職員で会を結成した。兄弟都市の福島県いわき市を中心とした被災地支援、防災意識向上を目的にレクイエム演奏会（１７年１１月）、同県浪江町の酪農家・吉沢正巳さん、岩手県出身の歌手・新沼謙治さんを招いた公演（今年１１月）をメインに、１６年以降毎年、大小のチャリティーコンサートや作品展を開催。大きな反響と寄付金が寄せられた。

　寄せられた浄財や子どもたちの作品は、いわき市と熊本県益城町のほか、延岡市の竜巻支援やコロナ対応の医療従事者にも送った。総額は６年間で約１１０万円に上る。

◆思いは持ち続けて

　末藤実行委員長（８２）は「地域に対しても影響を与えられたのではないか」、牧野会長（８７）は「今までやってきた精神が続けば」と望む。同会は「市民の皆さんが防災意識を持って災害に備え、子どもたちには思いやりの心を持ち続けてほしい」と話した。

　同会としての活動は終えるが、八木さん、西垣さんはそれぞれ、今後も形を変えて復興支援を続けていく予定という。

　写真は、前列左から赤藤雍子副会長、牧野会長、末藤実行委員長。後列左から西垣さん、工藤由紀子さん、八木さん。