感謝込めて卒業料理作品展

延岡学園高校調理科３年生が腕振るう

　延岡市大峡町の延岡学園高校（柳田光寛校長、６６３人）は２２日、調理科の３年生にとって集大成となる「卒業料理作品展」を同校で開いた。１０期生に当たる２３人が、身に付けた知識や技術を生かして考えた各２〜４品を披露。お世話になった教職員や保護者へ感謝を込めて腕を振るった。

◆１カ月早く開催

　今年は、新型コロナウイルスの影響でレストラン研修やホテル研修など技術向上のための恒例行事がほとんど中止となった。同作品展は感染状況が落ち着いているうちにと、例年より１カ月ほど早めて開催した。

　この日は朝から、前日に仕込んだ食材などを使って調理。昼前になると会場はおいしそうな香りに包まれ、食材選びから盛り付けまでこだわり抜かれた和食、洋食、スイーツなど約７０品がビュッフェ形式で並んだ。

　生徒たちは、教職員、保護者、同科の１、２年生が見守る中で自らの作品について説明。料理名や工夫した点、お薦めの食べ方、込めた思いなどを１人ずつ語り、来場者へ料理を振る舞った。

　ピッツァ（ペスカトーレ・照り焼き）、タイのかぶら蒸し、フレジェ、オレンジブリュレの４品を作った佐竹美有さん（１８）は「食べ合わせや彩りまで考えて作った。親に『おいしかった、盛り付けもきれいやね』と言ってもらえてうれしい」と満足げ。

　息子の料理を食べた青山豊義さん（４７）寿子さん（４０）夫妻は「家では何もしない子なので驚いた。有名にならなくてもいいので愛される料理人になってもらえれば」と目を細めた。

　生徒の一部は、飲食業への就職や大学、専門学校への進学が決まっているという。同科の谷本浩二教諭（５９）は「これからが勝負。良い時もあれば悪い時も必ずあるので、ここで過ごした３年間を思い出して頑張ってほしい」と話していた。