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私の一冊(11)創作屋・甲斐優子さん

本紙掲載日:2022-01-18
7面

「旅をする木」(星野道夫著、文藝春秋)

◆当たり前を静かに捉えさせてくれる

−−本との出会いを教えてください。

お客さまにもともと延岡で、今は高知県に住んでいる方がいて、メールアドレスもラインも知っているけど文通をしているんです。その方が4、5年前にプレゼントしてくださいました。

−−どんな本ですか。

なんていうか、素朴。書き方は手紙です。星野さんはアラスカに住んでいて、ヒグマを撮影した時のことやフェアバンクスの街の本屋さんのことなど日常を書いています。手紙なので、一つ一つ言葉を選んで語り掛けてくれるんです。だからとてもすっと入る。染み込む感じです。
「もう一つの時間」という話が気に入っています。東京から女性が来て、星野さんの取材に同行し、クジラの撮影に行きます。自然相手なので出会える保証はないのですが、偶然、見ることができ、女性は感動し絶句します。
その後、女性は東京に戻って慌ただしく日常を過ごすのですが、忙しくてバタバタしているけど、同じ時間にどこかでは、クジラが優雅に飛び跳ねている光景がある。そう思ったら、心が豊かになったという話です。
私は今、取材を受けていますが、同じ時間に、世界のどこかでクジラが跳ねている。星野さんは熊に襲われて亡くなりましたが、そのように事故に遭う人もいる。それらはすべて当たり前の出来事で、この本は当たり前を静かに捉えさせてくれます。
仕事をしているとどうしても「お店の人」とか「接客する人」とか人物(キャラクター)をつくってしまうのですが、それを何もないゼロの状態に戻し、当たり前を認識することは大事だと思うんです。

−−ゼロの状態とはどういったことでしょうか。

基準となる自分の感情や心持ちを、あまり隠したり固めたりしないで、柔らかく持っていくことがゼロというか、ニュートラル状態というか。良い意味の「不安定状態」であるのが、普通だという認識を持っていた方が豊かだと思います。
今は、矛盾があって当たり前だということを言い切れない世の中になっている気がします。実は私、接客嫌いですし、下手だとも思うんです。ただ、接客が嫌いな人の気持ちがすごく分かる。だからこそ良いのかもしれません。
今、好きなことをするのが一番という世の中だけれど、嫌いなことだって人を喜ばせてあげられる。全部好きにならなくてもいい。嫌いという感情をもう少しポジティブに持つことによって人を喜ばせたり、自分も「ありがとう」と言ってもらえたりする。そういうことを自然に受け入れられる環境に、自分を置いておくことは大事だと思います。

−−本を選ぶ基準はありますか。

ジャンルに関係なく、勧められたり見つけたりしたら読みます。「今はじめる人のための俳句歳時記新版」(角川学芸出版刊)は、お店に立ち始めた20代に教材として買いました。
コロナ禍で俳句を作るようになり、新聞に投稿したりもし始めて、なお頻繁に読むようになっているものです。2回、新聞に載って1回は特選に選ばれました。
言葉選びって接客でもすごく大事で、一言で印象に残るんですよね。どうせならそんな良い言葉を選んであげたいじゃないですか。
(延岡市安賀多町)

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