乾しいたけ生産、発展を

本紙掲載日：2022-01-31

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初入札会を前に、出品された乾しいたけを下見し、入札価格を決めていく商社の担当者

初入札会に合わせ祈願祭－日向

　全国２位の生産量を誇る乾しいたけの初入札会に合わせ、ＪＡ宮崎経済連（坂下栄次会長）は１７日、日向市の大御神社で今年一年の無事故と今後の発展を願った。

　坂下会長のほか、ＪＡ日向の藤本隆康組合長、生産者代表で同ＪＡ椎茸（しいたけ）部会の田中久智部会長、県内外の入札指定商社２６社でつくる宮経椎茸会の飯干義輝会長らが出席。神前に玉串をささげるなどして祈願した。

　この後、同経済連椎茸流通センター（同市塩見）に移動。初入札会式があり、坂下会長は「乾しいたけは日本を代表する食材で、中山間地域の大事な産業。継続していくためにも、農家の皆さんが元気になるような入札会になってほしい」と期待を込めた。

　続けて藤本組合長、田中部会長、飯干会長があいさつ。宮経椎茸会の伊藤敏夫理事の音頭で乾杯した。

　この日はまた、入札指定商社による下見会もあり、各社の担当者が箱に詰められた乾しいたけ約９３０箱（約１０トン分）をじっくりと確認。原木、菌床栽培の「冬菇（どんこ）」や「香信（こうしん）」などホール状やスライス状の乾しいたけを手で触ったり、香りをかいだりしながら大きさ、色、肉厚などの品質を見極め、翌日の入札会に向けて入札価格を設定していた。

　岡田商店（美郷町北郷宇納間）の岡田栄一社長（４７）は「業界に活気が出るよう頑張って入札したい。少しでも生産者の応援ができれば」と話していた。

◆初入札会、１キロ平均４０７０円

　翌１８日には同経済連椎茸流通センターで初入札会があり、１キロ当たりの平均価格は前年より２０５円高い４０７０円だった。

　同センターによると、初入札会に出品されたのは県内で昨年秋に収穫、加工された「秋子」。気温の高い日が続くなどして発生が遅れたため、生産量は前年の７割程度にとどまったが、肉厚で良品質の物が集まった。この日はすべてが落札され、椎葉産の乾しいたけには祝儀相場で１キロ当たり１万円の値が付いた。

　入札会は年１２回程度開催。秋子の入札は２月まで続き、約２５トンの出荷を見込む。１～４月に収穫する「春子」は３月から出荷が始まるという。