松田丈志さん「どうなりたいかが大事」

母校東海中３年生にエール

　延岡市の東海中学校（久峩秀隆校長、４８５人）は１４日、同校出身の競泳の元オリンピック日本代表松田丈志さん（３７）を招き講演会を行った。生徒に生き方を考えるきっかけにしてもらおうとＰＴＡ学年部が企画。卒業を控える３年生１５３人が、松田さんの経験に基づく教訓話などに耳を傾けた。

　松田さんは３３年前、地元の東海スイミングクラブで水泳を始めた。２００４年のアテネ大会から４大会連続出場したオリンピックでは、通算で銀メダル１個、銅メダル３個を獲得。そのほか多くの国際大会で輝かしい成績を残している。

　この日はまず、自分にとって楽しいと思えることや憧れを見つけることが夢をかなえる第一歩になることを強調。「できるかどうかではなく、どうなりたいかが一番大事」と呼び掛けた。

　続けて、初出場した全国大会で最下位になった経験や水泳をやめたくなった時期、高校時代に出場した国際大会で周回遅れの惨敗を喫した経験などを転換点として挙げ、順風満帆ではなかった水泳人生に言及。

　的確な行動や助言でサポートしてくれた久世由美子コーチの存在に触れ、自分の可能性を信じること、将来を見据えて物事を考えること、足りない部分を知り全力で努力することの大切さなどを語った。

　市内のスイミングクラブに所属する歌津明音（あきと）さん（１５）は「今後の人生に向けて、オリンピック選手のメンタルや課題への向き合い方が聞けて良かった。高校でも水泳は続けるので、県大会優勝を目指して努力したい」と感想。

　松田さんは「夢の実現には自分の努力が不可欠だが、周りの力をどれだけ得られるかで成長速度と可能性が格段に上がる。しっかりと将来を思い描き、理想の自分に近づく努力を重ねてほしい」とエールを送った。