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平和願う一盌の茶−大正大学公開講座

本紙掲載日:2022-06-27
3面

元特攻隊の千玄室さん−争いのない世界を

 茶道裏千家の前家元で大宗匠の千玄室さん(99)による講演会「一盌のお茶和の心」が26日、日向市文化交流センターであった。元特攻隊員として命や平和をテーマにした話を約800人が聞いた。

 大正大学鴨台会南九州支部(野中玄雄支部長)主催の「大正大学公開講座in日向」として開催。講座は当初、1月に延岡市で予定していたが、新型コロナウイルスまん延により延期した。

 千さんは冒頭、「私がお話をさせていただけるのは命があるから。命の『い』は生きること、『の』は生きるための望、『ち』は父母や祖父母らから続いた血を頂いたから。そこに命という、自分が生かさせていただいている意義、価値観がある」と語った。

 特攻隊員だった77年前、出撃直前に待機命令が出され、「そのうちにみんな、私がたてた一服のお茶を飲んで(出撃した)」。同期は後に水戸黄門などで知られる俳優の西村晃さんの「千ちゃん、お茶にしてくれ」の言葉で集まっては、千さんが茶をたて、配給のようかんを食べた。

 出撃が近いという時、同期の一人が言った言葉が今でも耳に残っているという。「千ちゃん、頼みがあるんだけど。生きて帰ったらな、あんたところのほんまの茶室で茶を飲ませてくれや」

 2年ほどかかるはずの訓練をたったの10カ月で身に付ける日々は過酷で「お前たちは死にに来たんだ。しかしな、飛行機はつぶすな」の一点張り。死ぬ覚悟はしていた。それなのに「『生きて帰ったらな』の言葉に『生きて帰れない、死ぬんだ』と、私は初めてその時に死という、どん底に落とされたような感じがした」と振り返った。

 それから1週間、仲間は次々に出撃した。「どういうことか私は待機命令を受け、死ぬところから助かった。地獄からはい上がった。77年、じくじたる思いで亡くなった連中のお弔いをしてきた。私はどうして命があるのだろうか。みんなが『お前はな、お茶を持って世界が二度といろんな争いをしないように頑張ってやれ』って言ってくれている」

 その思いを胸に、宗教、国籍を超え、一盌の茶を持って世界中を回ってきた千さんは「お互いに人間同士が敬っていけば争いはない」と訴え。

 最後に「皆さん一人一人に与えられた命を大事に、そしてそれを世のために少しでも生かすことができたらそれは素晴らしい布施になります。『やってあげる』ではなく『やらさせていただきます』」と締めくくった。

 茶道裏千家淡交会宮崎支部延岡分会の黒木宗悦分会長は「99歳の大宗匠のお言葉に自分たちで何かしないといけないというのをひしひしと感じた。自分がさせていただけるありがたさを感じ、役に立てることができれば」と話した。

 講演前には、共催の大正大から大学の紹介、同じく共催の県仏教連合会による回向(えこう)・法楽があった。司会は上岡信夫さんが務めた。

 講演後には鹿児島県鹿屋市の高校生ミュージカル「ヒメとヒコ」と劇団ニライスタジオによる「平和の花束〜合唱で紡ぐ平和のメッセージ〜」。高校生らは美しいメロディーを奏でながら、同市の平和資料館で見た手紙に宛て、出演者の一人が書いた手紙を朗読するなどし、「(私たちが)手紙によって平和について考える機会を得たように自分の思いを継いでいきます。大切な人、まだ見ぬ未来に、子どもたちに」と誓った。

◆延岡茶道連盟が来場者に呈茶

 開会前には、延岡茶道連盟(渡邊正会長)が裏千家淡交会宮崎支部日向分会(林田宗悦分会長)の協力で呈茶を行い、流派を超えて来場者に抹茶と和菓子を振る舞った。

 また、千さん到着時には茶道関係者を中心に大勢が拍手で出迎え。千さんを迎えてお点前もあり、飫肥杉であつらえた机、県産の茶道具などを使っておもてなしした。

 抹茶は県産の「ひなた茶」を使用。千さんは席を一緒にした人たちに「お先にいただきます」と伝えてゆっくりと茶を飲み、抹茶や茶道具をじっくり眺めて褒めていた。

 自ら写真撮影を提案するサービスもあり、代わる代わる千さんを囲み写真撮影を楽しんでいた。

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