美郷町で成人詔書授与式

大人の責任を自覚−県内初１８歳対象

◆高校生ら２８人が出席

　美郷町で１５日、１８歳を対象にした成人証書授与式が行われた。会場の西郷ニューホープセンター大集会室には高校生や社会人２８人が出席し、大人としての一歩を踏み出した。４月の民法改正で成人年齢が引き下げられたことを受け、各種権利や義務が発生する１８歳に大人の自覚と責任を促すことが狙い。１８歳対象の式典が実施されるのは全国的にも珍しく、県内市町村でも今のところ同町だけという。

　町の成人証書授与対象者は、２００４年４月２日〜０５年４月１日生まれの１７、１８歳３７人。式では田中秀俊町長が、高校の制服やスーツ姿で出席した一人一人に証書を、また、代表して田原清華さん（１７）＝南郷、五ケ瀬中等教育学校３年＝に記念品を手渡した。

　田中町長は、「さまざまな権利を持つと同時に、大人としての任務を果たしていかなければならない。私たちは皆さんを応援し、支え続ける。皆さんは、ふるさと美郷町を胸に自信と希望と勇気を持って、自分の道を力強く歩んでください」と激励の言葉を贈った。

　山本文男議会議長は、アメリカ人作家のマーク・トウェインの言葉「２０年後に失望するのはやったことよりやらなかったことだ」を紹介し、「皆さんの明るい将来を願っている」と祝辞を述べた。

　新成人を代表し、下田夢乃さん（１７）＝南郷、日向高校３年＝が「自らの意思で自由に物事を決めることができる喜びと同時に、それに伴う責任の重大さを自覚しなければならない。これから私たちが生きていく社会は楽しい事ばかりではなく、多くの苦難や試練が待ち受けていると思う。つらい時にはここに集まった仲間、地域の人たち、家族という心強い味方を思い出し目標に向かって努力を惜しまず精進していきます」とあいさつした。

　式後は、町内で働く３人の〃先輩〃からの応援メッセージの映像を視聴した後、町の未来を考えるワークショップを実施。また、「同窓会プロジェクトキックオフミーティング」として、２年後に実施する同窓会に向けた会議も行った。

　成人式典の対象についての判断は、自治体に委ねられており、現在、多くの自治体が２０歳で式典を行っている。美郷町は１５日の式典では１８歳を、来年１月３日には１９歳と２０歳対象の式典を行う。再来年以降は１８歳対象の成人式のみ８月に開催する。