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五ケ瀬川に盆納めの灯籠流し−日之影町

本紙掲載日:2022-08-17
3面

 日之影町中央地区で古くから続く盆納めの法事「灯籠流し」が16日、同町七折の旧役場庁舎前で行われた。地区の人ら約30人が灯籠を近くの五ケ瀬川の川面にそっと置き、揺れる淡い光を見ながら先祖や亡くなった親族のみ霊に思いをはせた。主催は町中央地区協議会(飯干真次会長)。

 例年同所で開かれる「夏まつりひのかげ」に合わせて行っているが、新型コロナウイルスの影響で祭りの中止が続いており、2019年以降は単独で実施。昨年は大雨による河川の増水で見合わせたこともあり、2年ぶりの開催となった。

 夕闇が迫る中、参列者らは仮設された祭壇所へ線香を供え、うちわ太鼓や念仏の鐘の音とともに灯籠を川へ投入。初盆のみ霊を弔うため、花火やちょうちんを積んで送り火に代える8そうの船形も一緒に浮かべた。

 7年前に息子を亡くしたという同町の80代男性は「若くして亡くなった息子を思うと今でもつらいが、こうして弔うことでゆっくり思いをはせる時間ができる。感無量の思い」と穏やかな表情。

 飯干会長(58)は「今があるのは先人たちのおかげなので、感謝しかない。盛大に執り行って良いものか悩ましくはあるが、若い人たちにもぜひ知ってもらい、たくさんの人に足を運んでほしい」と話した。

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