城山の史跡巡り、マップ作製

本紙掲載日：2022-09-19

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はらはらわくわくふるさと体験隊－延岡

　延岡の自然や歴史、文化遺産、産業資産を活用して子どもたちが心と体を動かす体験の機会を提供する「はらはらわくわくふるさと体験隊」（延岡市教育委員会主催）は１０日、延岡市の城山にある史跡などを探索し、「城山発見マップ」を手作りした。

　延岡ガイド・ボランティアの会からガイドを招いて城山内を探訪。最初に午前１０時の鐘の音を聞くために天守台を訪れ、８代目鐘守の日髙康彦さん、真理子さん夫妻が鐘を突くところを間近で見学。１４０年以上も昔から、延岡市民に時を告げ続けている鐘の音を聞いた子どもたちは「きれい」「まだ音が響いている」とみんなで拍手した。

　この後、３グループに分かれて後藤勇吉顕彰碑、日吉小次郎像、内藤政挙公像、北大手門を見て回った。日本初の民間パイロット第１号として日本一周飛行を成功させるなど数々の偉業を達成した後藤勇吉氏の紹介を聞くと、子どもたちは手元のメモに書き込んでいた。

　午後からはカルチャープラザのべおか１階多目的ホールで、マップ作製に挑戦。「延岡城・内藤記念博物館」の開館（２３日）を機に、延岡を訪れる人々に向けてＰＲしようと、写真や絵、色とりどりのペンを使うなど工夫を凝らした。完成した後は、各班それぞれ発表を行った。

　甲斐陽菜さん（延岡小５年）は「後藤勇吉さんが日本初を五つも達成したことにすごくびっくりした。日吉小次郎さんの晩稲晩化の取り組みもすごいと思った」、佐川千和さん（同小６年）は「城山の鐘が鉄砲の素材になるかもしれなかったという話は初めて聞いた」と話した。

　延岡市教育委員会は延岡城・内藤記念博物館開館を記念し、第４回「はらはらわくわくふるさと体験隊」で子どもたちが作製した城山発見マップを、２７日まで同市本小路のカルチャープラザのべおか１階に展示している。

　はらはらわくわくふるさと体験隊が探索した史跡は次の通り。

【城山の鐘】秋山榮雄著、鉱脈社出版「民族探訪ふるさと３６５日上巻」によると、１８７７（明治１０）年の西南戦争で、砲弾の材料になろうとしたのを、管理者であった今山八幡宮の神職が谷底に隠して保存。これを同戦争で焼き払われた城山の太鼓やぐら跡に、北町と中町の若者たちが運びあげたといわれる。

【後藤勇吉顕彰碑】延岡出身で、初の日本一周飛行に成功した飛行家・後藤勇吉の記念碑が立つ。

【日吉小次郎像】耕地の形を整えて効率化を図る「耕地整理」や、米の作付け時期を遅らせて害虫から守る「晩稲晩化」など延岡の農業発展に貢献した日吉小次郎の記念碑。

【内藤政挙公像】明治時代に教育施設の「亮天社」「女児教舎」を建てるなど、延岡の発展に深く寄与した延岡藩最後の藩主。

【北大手門】１９９３（平成５）年に復元された北口の登城門で、二の丸への入り口になっている。