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2024年新春インタビュー(10)−吉玉典生延岡商工会議所会頭

本紙掲載日:2024-01-17
1面

多様な業種の創業を支援−地域連携で発信、人の流入促進

−−2023年は物価高騰や円安など日本経済を揺るがす状況が続きました。

経済再生について管内外からの視点でどのように見据えていますか。
昨年は5月にコロナ感染症が5類に移行し、国内で制限されていた活動がコロナ禍以前の状況に戻ったとはいえ、ロシアとウクライナの戦争はいまだ先行きが見えず、パレスチナのハマスがイスラエルを攻撃したことによりサプライチェーンの不安定化、原材料価格や電気料金が高騰したほか、円安もあって数万品目の値上げが実施されました。
また、政府によって賃上げが求められており、これらの原価高騰をいかにして吸収できるかが大きな課題です。しかし、DX(デジタルトランスフォーメーション)やロボットの導入による効率化への取り組みが推奨されており、これらを活用することで中小・小規模事業者においても経営の改善に取り組む環境はできつつあります。発注企業においては、協力企業における原価高騰を価格に転嫁できる対応が望まれます。
かねてからの課題ですが、人材確保は極めて厳しい状況です。人材の流出防止や新たな人材確保のために就職説明会、保護者を含めての会社説明会を行うなど、各社が必死に取り組んでいるのが現状で、行政のこれまで以上の支援が望まれます。

−−地域経済活動や中小企業へのサポートについての考えを教えてください。

コロナ禍において、多くの企業がつなぎの融資を活用してきました。業種によってはまだ厳しいですが、金融機関による対応もあって、ことさらに廃業や倒産が増えている状況ではありません。
これまでも融資や新規事業への取り組みに対するアドバイス、支援を行ってきていますが、行政や金融機関とも連携して引き続きサポートしていきます。
AI(人工知能)の普及等で、現在の職業の半分がAIに取って代わられるとも言われていますが、AIを活用しての新たな職業も生まれてきます。当該分野の職業に関しては、就労場所を選ばない業務形態となり、さまざまなニーズに対応する新たな創業が期待されます。商工会議所として、さまざまな業種の創業支援を行ってきていますが、より一層創業に取り組みやすい環境を行政と共に構築していきたいですね。

−−24年をどのような年にしていきたいですか。

3月からケーブルメディアワイワイさんが開設する「LifeConnect」による商店と消費者をつなぐ延岡版ネット販売には、特に地元商店街の活性化と買い物弱者への支援の面で期待がかかります。
コロナ禍で制限されていた対面での活動は、ほぼ元の状況に戻りつつあります。制限中に整備されたリモートでの働き方を生かし、延岡の生活環境の良さをもっと発信してIJUターンの促進に取り組んでいきたいですね。
「日本復活のカギは地方の創生にあり」と言われていますが、延岡の文化、歴史、産業、自然などの素晴らしさを再確認し、日豊経済圏開発促進協議会などを通じて、大分県南そして県北が連携してその良さを発信することで域外からの人の流入を促進できればと考えています。
人それぞれ幸福感は異なるものですが、延岡に来て住んでいる一人でも多くの方に「来て良かった、住んで良かった」と思っていただける延岡にするために今年も行政と連携して取り組んでいきたいと思います。

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