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話題の「秘境バス」に乗ってみた
本紙掲載日:2017-04-07
8面

宮崎交通祝子川温泉線「何回走っても緊張」と運転手

◆利用者も全幅の信頼、沿線住民の「生活の足」−記者ルポ

 延岡市の祝子川沿いを走る宮崎交通の路線バス「祝子川温泉線」。雑誌で「ザ・キング・オブ秘境バス」と紹介されるなど、車窓に広がる風景や神業のような高度な運転テクニックが話題となっている。どれほどすごいのか。祝子川温泉「美人の湯」から乗ってみた。

 路線の大半は県道岩戸延岡線。「岩戸」(高千穂町)の名は付くものの、実際に開通しているのは北川町上祝子から中川原町までの延岡市内約25キロ。一部は、旭化成陸上部が練習に利用する「オリンピアロード」の愛称で知られている。

 この日の始発便を運転するのは、バス乗務歴28年の木原透さん(67)=延岡市櫛津町=。高速バスを含め、あらゆる路線を経験したベテランだが、月2、3回乗務する祝子川温泉線は「何回走っても緊張する」。

 午前7時55分、美人の湯発。乗客は記者1人。普通車より高い座席は視界も広々。春まだ浅い大崩山の絶景が車窓を流れる。「上祝子」「学校前」「八郎」と続くバス停に人影はなく、古びた丸い標識が地域の過疎化を物語る。

 下祝子を過ぎて、道はいよいよ狭まる。幅2・3メートルの中型バス1台がやっと通れるほどの箇所も。くねくねと見通しの悪いカーブが続き、一瞬たりとも気を抜けない。左は断崖、右下に祝子川。スリルをはらんだ車窓の眺めが「秘境バス」と呼ばれるゆえんでもある。

 コンクリートを吹き付けた崖が目前に迫る。「路線中で一番の難所」という。黒い岩肌と車体との距離が見る見る縮まる。徐行し、左右のサイドミラーを絶え間なく確認しながら擦り抜ける木原さん。「この路線のおかげで腕が落ちない」。的確なハンドルさばきにプロドライバーの真骨頂を見る思いがする。

 対向車との離合には最も気使う。最近は大型の工事車両と出くわすことも多いという。わずか数センチの距離ですれ違うテクニックはまさに神業だが、より安全に離合するには「早く見つけて自分から待つ」が基本。そこで役立つのがヘッドライト。「昼間でもライトをつけた車は見つけやすい。できれば普通車も点灯してほしい」。

 バスの後ろに車が連なることも。進行方向の左側に車を寄せるのが普通だが、場所によっては反対側に寄せて後続車を通すこともあるという。「キープレフトにこだわらず、臨機応変に道を譲るのもテクニックの一つ」。路線を熟知した運転手ならではのアドバイスだ。

 「ヒノキ山」のバス停を過ぎると、まだ狭いながらも見通しがよくなる。宮長町で1人、桑平町ではバス停のない場所から3人の客が乗り込んだ。実はこの路線、美人の湯から鹿狩瀬まで「フリー乗降区間」。どこでも乗り降りできる仕組みは「便利で助かる」と利用者に好評だ。

 祝子川温泉線では先日、市バス利用促進協議会が主催する「秘境のバス旅」があり、市内外から約20人が参加した。ハンドルを握ったのは木原さん。「日本で一番狭いといわれる路線を走れるのは運転手にとって誇り。緊張するが、四季折々の季節を感じながら走らせるのは楽しい。利用者に感謝しながら、これからも安全運転に徹したい」

 延岡バスセンター到着は、ほぼ定刻通りの午前9時5分。「ありがとうございます」。目的地でバスを降りる乗客に制帽を脱いであいさつする木原さん。その手が握るハンドルには、「お年寄りに優しい運転」と書かれた青いシールが貼られてあった。

          ▽        ▽

 祝子川温泉線は、沿線住民に欠かせない「生活の足」。運転免許証を返納した高齢者にとってはなおさらだ。

 上祝子の伊藤政康さん(84)もその1人。1年前から月に2、3回は妻のフサ子さん(78)と通院や買い物に利用する。「車がないのは不便だが、バスは自分で運転するより安心」と全幅の信頼を寄せている。

 ただ、夫婦2人で往復乗車すれば料金は4千円を超す。さらに、終点の美人の湯から自宅まで坂道を歩いて10分以上かかるため、買い物は宅配便で自宅まで届けるという。「お金はかかるが、路線バスがあるだけありがたいと思うしかないのかも…」。フサ子さんがそう話す。

 桑平町の真田純江さん(79)は、通院や買い物などで週5回バスを利用する常連客。2年前に免許証を返納しており、「この路線がなかったら生活ができない」。ほかにも週3回通院するという男性客は、祝子川温泉線を「命の路線」と表現した。

 高齢化で免許証の返納が増えればバス路線の重要性はますます高まる。利用者に対する補助など行政による支援の必要性を感じたバス旅でもあった。


【メモ】祝子川温泉線は平日のみの運行。延岡バスセンターから祝子川温泉美人の湯までの片道運賃は大人1080円(子ども540円)。問い合わせは、宮崎交通延岡営業所(箟箍32・3341)へ。