外来診療を中止−県立延岡病院

１５日まで入退院も−新型コロナ委託の清掃員が感染

　県は１１日、県立延岡病院で勤務する清掃員が新型コロナウイルスに感染したことを明らかにし、入退院や外来診療を１５日まで中止すると発表した。

　同病院などによると、感染が確認されたのは主に病院本館の清掃に従事する業務委託会社従業員の７０代女性。家族が感染者の濃厚接触者と判明したため９日から出勤を停止しており、同日中に家族の感染が確認されたことから、他の同社従業員２０人も１０日から出勤していないという。

　当面の感染拡大防止策として、１１日から救急を除く入退院と外来診療を中止。感染した従業員は勤務中マスクを着用し、他人との接触はないため、周囲に感染させた可能性は極めて低いが、念のため医師や看護師などの病院職員と委託会社従業員にＰＣＲ検査を実施しているとしている。

　入退院や外来は安全が確認されれば１６日から再開する予定。同病院は「今後とも入院および外来に来られる県民の方に、これまで通り診療を安心して受けていただけるよう、院内感染の防止を一層徹底してまいります」とコメントした。


◆入館禁止入り口に看板−職員が来院者に理解求める

　延岡市新小路の県立延岡病院では、入館を禁止するなどの措置が取られ、職員らが対応に追われた。

　同病院は１１日午前から、正面入り口に「当院職員の新型コロナウイルス感染症の感染が確認されたため、入館全面禁止・外来原則中止します」「入院患者さんの着替等は病院で預かります。救急入口の警備員室においでください」と書かれた看板を立て、来院者らに理解を求めた。

　職員らは、何も知らずに来院した人に対し、入り口前で事情を説明。来院者らは複雑そうな表情を浮かべながらも説明を聞き、駐車場に止めている車の中に待機したり、病院を後にしていた。

　入院している母親の面会に訪れたという女性は「新型コロナウイルスの感染者が出たため、全面的に（入館を）止めていると説明された。駐車場に止めている車の中から、先生と電話でのやりとりになるようだ」と話した。

　入院している父親に着替えを持って来たという男性は「警備員室に預けるよう言われた。父に会うことができないので、電話で連絡を取り合うことになる」と話した。