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県事業承継・引継ぎ支援センター

本紙掲載日:2023-02-25
8面

専門家が事業承継を支援−休業、廃業の前に相談を

◆事業主の悩みにワンストップ対応

 全国に展開している事業承継・引継ぎ支援センターは、中小企業の円滑な事業承継を後押ししている。宮崎市にある同センターでも弁護士や公認会計士など各専門家が、家庭内・第三者承継、後継者候補の選定など事業主の悩みに対応中。休業や廃業を考えている人に向けて事前の相談を呼び掛けている。問い合わせは同センター(電話0985・72・5151)。

◆健康・パンcafe・クローバー(日之影町七折)

 日之影町七折で昨年4月にオープンしたカフェ「健康・パンcafe・クローバー」。国道218号沿いの多目的販売所「日之影元気村」内にある店舗では、体に優しい手作りパンと町産の旬の野菜を中心としたオーガニックランチを提供している。

 店主の新田範美さん(62)は、姉の工藤千代子さん(66)が2018年に開業したパン店を承継。体調不良やコロナ禍の影響で閉店を余儀なくされた姉との「親族内承継」を経て、新たな価値を提供する〃パンcafe〃の運営に力を注いでいる。

◆姉の思い受け継ぐ

 同町出身で延岡市在住の範美さんは、高千穂高校卒業後に福岡県の専門学校で教員免許を取得。宮崎県内で17年間、小学校教諭として勤務したが、33歳の時にすい臓がんを患ったことを機に退職した。

 多忙でおろそかになっていた生活習慣や不規則な食生活を見詰め直す中で、食と健康への関心を高め、調理師やフードコーディネーター、オーガニック料理ソムリエなどの資格を取り、1999年に延岡市大貫町で「シオン・パン料理教室」を開業。食を通じた健康増進法について日々研さんを積んでいる。

 そうした中、2021年に千代子さんからパン店の閉店と事業引き継ぎの相談を受けた範美さんは、姉の思いや離れて40年近くが経過していた故郷への思いなどから承継を決意した。

◆客観的な視点に「助けられた」

 範美さんは承継に際し、延岡商工会議所の指導員に相談。日之影商工会や県事業承継・引継ぎ支援センターの紹介と、各機関から計画策定の支援を受ける中で、延岡で開く料理教室との両立の自信を深めていった。

 パン店をそのまま引き継ぐのではなく、自身のスキルを生かせるカフェへの転換を模索する中、「パート雇用などで体力面の問題もクリアできると感じました。多くのアドバイスを頂きながら、自分のプランを可視化する作業を通して進むべき方向がはっきりとしていきました」。併せて日本政策金融公庫から改装資金の融資も受け、日之影の豊かな自然をイメージした店舗づくりを進めた。

 親族内承継を経て範美さんが実感したのは、客観的な視点のありがたみという。「親や兄弟、姉妹という身近な存在同士ではなれ合いの気持ちが先行したり、感情がぶつかり合ったりしやすいと思います。姉と私もかみ合わない場面があり、専門的な第三者の機関のサポートに助けられたので、この支援システムは大いに活用すべきだと思っています」

 地元を愛する姉・千代子さんの思いを受け継いで開いたカフェは、西臼杵の自然に恵まれた環境下にあり、範美さん自身の思いを伝える絶好の場でもある。「健康に特化した癒やしのカフェとして認知してもらえるよう、これからも自然食品にこだわっていきたいですね。オーガニックをはじめ日之影の魅力を表に出していく『情報発信基地』としての役割も求めていければ」と高い意欲を見せている。

◆塩見木工所(日向市塩見)

 木製建具の製造、取り付け、雑貨やインテリアの販売などを手掛ける日向市塩見の塩見木工所。壱岐久光さん(80)が1974年に創業して以降、半世紀近くにわたって地元の木工を支える老舗として活躍している。

 長年地域に根差した仕事を続けてきた中で、「年々体力の衰え、限界を実感するようになってきた」という壱岐さんは、身内に引き継ぎ先がなかったこともあって、2020年ごろから会社存続のために「従業員承継」の検討を開始。若手の成長が感じられるようになっていた時期でもあり、「世代交代のタイミングだと確信した」という21年の夏、入社14年目を迎えていた吉田誠さん(40)に会社の引き継ぎを申し入れた。

◆支援機関のサポートに安心感

 国家資格である建具製作技能士、家具製作技能士各1級を持ち、従業員をけん引する立場だった吉田さんだが、会社の代表就任は人生初の出来事。その打診に「不安や心配は当然あった」と当時の心境を話す。創業当初から会社を引っ張ってきた壱岐さんにとっても事業承継は初めての体験だったが、2人は日向市などが主催するセミナーに参加するなどして、引き継ぎに向けた具体的な方向性をじっくり見定めていったという。

 その後、壱岐さんが事業承継検討当初から相談してきた日向商工会議所や、同商議所から紹介された宮崎県事業承継・引継ぎ支援センターのアドバイスを得ながら本格的な手続きへ。同センターから条件面の整理や事業譲渡契約書の作成、専門家や支援機関の紹介などさまざまなサポートを受け、具体的なスケジュールや引き継ぐ物品、建設業の許認可取得などを進めた。

 また吉田さんは、日向商議所の経営指導員の助言の下で事業計画書を策定したほか、日本政策金融公庫からの資金調達を受け、引き継ぎ後の運転資金等を確保。これら各支援機関との連携を図りながらの入念な準備の末、2人は21年12月13日、事業譲渡契約書の調印を果たした。

 検討から約2年、打診から約半年を経て無事に譲渡契約を交わした2人は、一連の流れを振り返りながら「自分たちで一からやろうとしていたら、とてもじゃないけど無理でしたね」と笑い合う。吉田さんは「支援してくれる方々からきちんと説明をしてもらった上で、頂いた書類にサインをして印鑑を押してといった感じでした。手厚いサポートで(壱岐さんから打診された)当初の不安もなくなり、とても安心しながら作業を進めることができました」。

◆DX化、人材確保に意欲

 22年1月1日付で開業届を出した吉田さんは、社長としての第一歩となった昨年1年間について「仕事の大部分はこれまでの延長線上でしたが、改めて振り返ってみるとやっぱり大変でしたね。見積もりや支払いのやりくり、現場での段取りのほか、細かい部分でも苦労が多かったように思います。先代のすごさを再認識しました」と話す。

 現在は、IT機器の活用や取引先とのオンライン上でのやりとりを増やすなど、DX(デジタル・トランスフォーメーション)化を少しずつ進めて業務の効率化を図っている最中。今後見据える事業拡大への土台づくりにも余念がなく、「建築関係の業務請け負いの充実を目指したいですね。いずれはオリジナル家具の製作・販売も手掛けていこうと考えています。そのためにも人材確保は急務。育成には長い時間がかかるので、少しでも早い段階で仲間を増やしていく必要があります。興味のある方はぜひ気軽に連絡をしてもらえれば」。

 支配人という肩書で、吉田さんやほかの従業員の同僚として日々仕事に励む壱岐さんは「(吉田さんを)傍らで見てきたここ1年、お得意さまとの関係も良好で、すっかり安心しきっています」とにっこり。「私の代以上に会社全体のやる気が感じられます。新しい何かを生み出して発展していってくれると期待しています」と2代目に大きな信頼を寄せている。

塩見木工所への問い合わせは同社(電話日向53・3326、メールsiomim@fuga.ocn.ne.jp)。

◆延岡市で事業承継セミナー・3月22日

 県事業承継・引継ぎ支援センターは3月22日、延岡市と共催で「事業承継セミナー」を行う。会場は同市幸町の市コワーキングスペース(延岡駅西口街区ビル2階)。時間は午後2〜4時。参加無料。

 同センターによる基調講演、親族内承継や第三者承継の事例および延岡市や日本政策金融公庫が実施している支援制度などの紹介を行う。

 定員は25人。申し込み締め切りは3月16日。同センターは「誰でも参加できます。気軽に申し込みを」としている。

 申し込み、問い合わせは市人材政策・移住定住推進室(電話延岡20・7176)。

◆引継ぎ支援センターQ&A−商工会・商工会議所と連携

1、どんな相談が受けられますか?

子どもや従業員への事業承継、後継者がいないので引継ぎ手を探してほしい、など事業承継に関するどんな相談にも経験豊富な専門家が対応します。
なお、誰に承継するかまだ迷っているなどの相談でも結構です。

2、相談は有料ですか?

センターは国が設置した機関ですので、相談は無料です。なお、弁護士に契約書作成を依頼する場合などは自己負担が発生することがあります。

3、相談の申し込み方法は?

センターに電話やファクス、メールで直接申し込むか、最寄りの商工会・商工会議所、取引金融機関に「センターの相談を受けたい」旨をお伝えください。センターにつながる仕組みになっています。

4、相談の流れは?

相談申し込みがあれば、各地域を担当するエリアコーディネーターが、商工会・商工会議所の経営指導員等と連携して個別相談を行い、事業承継に向けた課題を相談者と一緒に整理します。その後、第三者承継希望については引継ぎ支援チームにつながれ、相手探しから引継ぎ手続きまで支援します。
また親族内承継については、エリアコーディネーターが税理士や中小企業診断士など専門家の力も借りて事業承継計画づくりや事業承継手続き等を支援します。

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