５年目の消防士堂々発表

延岡市消防職員意見発表会

◆最優秀賞に岡さん、優秀賞に谷口さん

　２０２３年「延岡市消防職員意見発表会」がこのほど、同市消防本部（永谷正男消防長）であり、入署５年目の消防士２人が、日ごろの業務や災害現場で経験したこと、感じたことなどを発表した。結果は、市消防本部消防第２課延岡南分署第２係の岡凌大さん（２４）が最優秀賞、同第１課延岡南分署第１係の谷口男樹さん（２５）が優秀賞を受賞。最優秀賞の岡さんは、４月１３日に日向市で行われる県大会に出場する。

　消防職員としての自覚を深め、士気高揚につなげようと毎年実施。会場には消防幹部を含めた関係者らが集まり、永谷消防長、市の澤野幸司教育長、延岡警察署の黒瀬信太郎署長らが審査員を務めた。

　最優秀賞の岡さんは「限りある資源」と題して総務省消防庁が作成した全国版救急受診アプリ「Ｑ助」を紹介。該当する症状を選ぶだけで、今後必要な対応などが分かりやすく表示される無料のアプリで、広く市民に普及すれば、緊急性が低い「救急車の不適切な利用」を減らすことができるのではないか、と訴えた。

　また、優秀賞の谷口さんは「安全に緊急走行するために」というテーマで発表。緊急車両の進路を譲らない車両について、「車の遮音性の向上でサイレン音が聞こえにくくなっている」「避け方を学ぶ機会が少なく、実際に遭遇した際に慌ててしまっているのではないか」などと推察し、免許センターや自動車教習所と連携して、緊急車両の避け方を周知してもらうことなどが必要不可欠、と話した。

　審査した澤野教育長は「いずれも『救急』に関する内容で、命を守る消防隊員の現場の苦労を、発表を通して改めて実感した」と総評。県大会に向けては「誰に向けて発表するのかを意識し、相手に伝わるような抑揚、強弱を付けると、さらにブラッシュアップできる」と提案した。