通行料値下げを−国道１０号延岡南道路

延岡南部地区の促進期成会−国交省に要望書

◆渋滞解消と安全安心を

　延岡市の南部地区（伊形町、一ケ岡、土々呂町）で交通混雑解消と安全性向上を目指す「延岡南部地区の渋滞解消および安全・安心促進期成会」（稲吉悦夫会長）は９月３０日、国交省延岡河川国道事務所に「通行料金の値下げによる国道１０号延岡南道路の利用促進」を求める要望書を提出した。

　南部地区では幹線道路の国道１０号に交通が集中し、２車線の同市塩浜町―門川町加草間で朝夕に渋滞が発生。回避する車両が県道や市道、地区内の生活道路に流入し、交通混雑が慢性化している。

　問題解決のため地元の声を関係機関に届けようと昨年６月、住民と地区内の小中学校ＰＴＡが同期成会を設立。要望活動や署名活動などを行っている。

　延岡河川国道事務所を訪れたのは稲吉会長（伊形地区区長会会長）、金澤徹二副会長（一ケ岡地区区長会会長）、河野時徳副会長（土々呂地区区長会会長）の３人。稲吉会長が麻生宏斉所長に提出した。

　要望書では、車両が通学中の児童と接触するなど、交通事故と隣り合わせの状況にあると説明。門川町加草―延岡市上伊形町間と同市伊形町で整備中の広域農道が今年度開通する計画のため、さらなる交通量の増加を懸念する。

　２０２０年３月、延岡南道路の通行料金がＥＴＣ車限定で引き下げられ、延岡南道路と延岡道路の連続利用が促されているものの、慢性的な混雑は解消されていない。このため同期成会は、通行料金値下げによる延岡南道路の利用促進が最も現実的かつ有効としている。

　稲吉会長は「生活道路がなかなか使えない状態を解消していきたい。子どもたちが安心安全に通学できるよう、また地区住民が安心して車の乗り入れができるようになっていけば」と話した。

　麻生所長は「ＮＥＸＣＯ（ネクスコ）西日本と県としっかり連携しながら、課題解決に向けて調整していきたい」と語った。

　同期成会は４日、宮崎市内のＮＥＸＣＯ西日本九州支社宮崎高速道路事務所と、県高速道対策局にも要望書を提出した。