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バイオリン「神祇」完成

本紙掲載日：2022-10-06

3面

世界でも珍しいスギとケヤキで

◆素材は高千穂・狭野神社ご神木

　バイオリニストの山内達哉さんと音楽家らでつくる都城市の団体、神話の里文化・芸術アソシエーションの岩満嵩介代表が９月２８日、県庁を訪れ、高千穂神社（後藤俊彦宮司）などのご神木で作ったバイオリン「神祇（じんぎ）」の完成を、河野俊嗣県知事に報告した。

◆企画者ら県庁と高千穂町を訪問

　山内さんは約５年前、ご神木からバイオリンを作るプロジェクトを企画。若い世代に豊かな音楽体験を提供して県の音楽文化を発展、向上させようと活動する同団体がプロジェクトに協力し、今年完成させた。

　素材には、台風で倒れた高千穂神社と狭野神社（高原町）の樹齢１００年以上のご神木を活用。高千穂神社のケヤキのご神木は裏板に、狭野神社の杉は表板などに使われた。裏板には両神社の伝承にちなみ、ニニギノミコトの天孫降臨をイメージした絵があしらわれた。

　県庁で演奏を披露した山内さんは「音楽、神社、神話に興味を持つ人が増えてくれたら」と願い、「スギとケヤキで作られたのはおそらく世界初」と語った。知事は「今後どう音色が変わっていくのか楽しみ」と期待した。

　同２９日には高千穂町役場を訪れ、甲斐宗之町長らに完成を報告。山内さんから制作の経緯や演奏を聞いた町長は「高千穂町の魂がこもったバイオリンだということが分かった。われわれとしても（今後の活動を）応援していきたい」と話した。

　山内さんによると、後日、高千穂神社で入魂の儀式を行う予定。記念コンサートの開催も計画しているという。

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