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新たな経口薬に注目−新型コロナ週刊トピック

本紙掲載日:2022-10-08
2面
新型コロナ経口薬の仕組みについて(佐藤圭創医師作成)

治療を一変させると期待も

 新型コロナウイルスの感染者数は順調に減少傾向をたどっており、県は5日、県内の警戒区分を3段階で最も低い「医療警報」へと引き下げました。一方、国内外の製薬会社は治療薬の開発にしのぎを削っており、新たな経口薬に世界が注目しています。そこで今回は、治療を一変させるとも期待されている新薬についてリポートします。

◆延岡市、一時落ち着くも連休後再増加−高齢者施設でクラスターも

 県内の新規感染者数は、延岡市を中心として9月の連休後に一時、再増加しましたが、落ち着いてきました。1人から何人に感染するかの指標となる実効再生産数も、前週は同市で増減目安の「1」を超える1・09まで上がりましたが、今月3日現在0・93まで改善しています。

 一方、9月の連休後は若い世代の感染者が多かったのですが、現在はそれが高齢者へと移り、市内では3カ所の高齢者施設でクラスターが発生しました。

 感染したうち、ワクチンを接種していない、あるいは初回接種(1、2回目接種)のみの高齢者は衰弱が激しく、県北独自に運用している点滴センター(宿泊療養施設内)は、お盆明けと同じくらい切迫しているといいます。

 感染者が一定数増えれば抵抗力の低い高齢者などにしわ寄せがいくこと、感染・重症化抑制にワクチンが有効であることに変わりはなく、警戒レベル引き下げ後も基本的な対策の継続が求められます。

◆経口治療薬「ゾコーバ」−佐藤圭創特任医師に聞く

 新型コロナの脅威をなくすために世界が待望しているのが、ウイルス増殖を抑える治療薬です。その中でも新たな経口薬は、「承認・使用されれば新型コロナの治療が根幹から変わる」と脚光を浴びています。

 その治療効果や開発の動向について、薬学の専門家でもある県新型コロナ対策調整本部の佐藤圭創特任医師に話を伺いました。

◇タミフル同様の使いやすさ−かなりの治療効果

−−新薬はこれまでの経口薬と何が違うのですか。

【佐藤医師】新たな経口薬は日本の塩野義製薬が開発した「ゾコーバ」(成分名エンシトレルビル)です。12歳以上が使用可能となっています。
現在もラゲブリオ(メルク社)やパキロビット(ファイザー社)といった経口薬が治療に使われていますが、これらは重症化リスクがある人にしか処方できません。ゾコーバはこれまでなかった軽症−中等症向けの経口薬で、重症化リスクがない人にも使えます。
考え方によっては、インフルエンザにおけるタミフルのような使い方ができるため、一般の病院でも新型コロナの治療が非常にやりやすくなり、医療アクセスもかなりよくなると期待されます。

◇社会的な感染抑止にも期待

−−どのような特徴がありますか。

【佐藤医師】例えばラゲブリオは1日当たり8カプセルを飲まなければならず、高齢者には大変です。ゾコーバは1日1回1錠を3日間服用するだけです。承認されれば、国内に100万人分を供給、世界で1000万人分を製造できる態勢がすでに整っています。
ゾコーバとパキロビットは、新型コロナウイルスが感染した細胞内でのRNA(リボ核酸)合成を阻害することでウイルス増殖を防ぐのですが、ゾコーバはパキロビットよりも非常に強力にウイルス量を減らせることが分かっており、かなりの治療効果があります。
さらには、ウイルス量が減ることで公衆衛生学的な効果が期待されています。感染症学会や化学療法学会はこの薬が世に広まれば、社会的なウイルス量が減ることによって、かなりの流行抑制になると考えています。

◇7月に承認されていれば7波を抑えられた可能性も

−−だとすると緊急承認が急がれますね。

【佐藤医師】両学会は、できれば第7波がピークになる前の今年7月の初めに承認してもらいたいと、かなり強く求めたのですが、厚生労働省から認可してもらえず、現在に至っています。
その時の承認見送りの理由は、当初のアルファ、ベータ株を含む新型コロナの典型的な12症状に対し、明確な有効性が出なかったためです。ですが、オミクロン株特有の5症状(せき、喉痛、発熱など)に絞った再評価ではいずれも明確な有効性が証明され、緊急承認の再検討に入る運びとなりました。
本来、安全性が確立していて薬としての有効性が、「確定」ではなく「推定」できれば緊急承認できるのですが、7月の段階ではそれも認められませんでした。当時の状況により承認されていれば、第7波はあれほど大きなピークにはならなかったのではないでしょうか。

◇海外承認が先んじる可能性

−−緊急承認の見通しを教えてください。

【佐藤医師】塩野義社は中国や韓国でも緊急承認を申請中で、米国、英国、欧州(EU)でも申請を進めており、日本よりも先に海外で承認される可能性がありますが、そうなると日本でも承認されやすくなると考えられます。
さらに、同社はゾコーバを低中所得国に広く提供するライセンス契約を取得しました。当然、緊急承認されないと使えませんが、世界的にゾコーバをタミフルのように大量生産・供給できる仕組みをつくって、エージェント契約を進めています。
これが実現すれば世界の新型コロナ治療は、重症化リスクがある患者を対象とした治療から、全ての患者を対象とした治療へと変わっていくので、この薬が出るか出ないかの差はものすごく大きいと考えます。

◇基本的な予防が原則

−−ゾコーバは新型コロナの万能薬というわけですね。

【佐藤医師】この薬は酵素阻害剤のため、併用できない薬があり、催奇形性があるため妊婦の方にも使えません。
パキロビットはほかに複数の薬を服用している高齢者ら重症化リスクがある人が対象だったため使われにくかったのですが、ゾコーバは薬を投与していない若者などには十分使えるようになり、そこがこれまでと一番違う点です。
それから、あくまでも治療薬は感染対策の一つであり、基本的な感染防止策が原則です。ここにきて、ワクチンの接種率が伸び悩んでおり、次の流行でまた一気に感染が広まる恐れがあります。ぜひ、接種券が届いたら早めに接種していただければと思います。

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