障害の有無、性差にかかわらず

本紙掲載日：2022-10-24

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「それぞれできることをすこしずつ」をテーマに開かれた第６２回県精神保健福祉大会（１５日、高千穂町武道館）

「一歩踏み出す勇気～小さな積み重ねと感謝の習慣」の演題で特別講演した浦田さん

満たされる暮らしを

◆高千穂で県精神保健福祉大会

　「それぞれできることをすこしずつ」をテーマに第６２回県精神保健福祉大会が１５日、高千穂町武道館で開かれ、功労者表彰や特別講演を通して精神保健福祉への理解を深めた。主催は県、県精神保健福祉連絡協議会（髙宮眞樹会長）、県精神科病院協会（内村大介会長）。

　式典で河野俊嗣知事は、ロシア・ウクライナ情勢による原油・物価高騰、台風１４号被害、新型コロナウイルスの影響などに触れ、「数字の回復だけでなく、一人一人が背負った心の問題にもしっかりと向き合っていく必要がある」とあいさつ。

　また、髙宮会長は表彰を受ける人たちに対し、「長年にわたり精神保健福祉に深い理解と熱い情熱を注ぎ、それぞれの分野で献身的に務められてきた。これからも精神保健福祉の良き先輩として活躍されることを祈念する」。

　内村会長は「地域住民をはじめ、関係機関と団体がより一層連携を図ることが重要。精神障害の有無、年齢、性差、生活環境の違いにかかわらず、県民が安心して、楽しく優しい気持ちで満たされながら暮らしていけるようになることを心から願う」とそれぞれ祝意を示した。

　続けて功労者表彰があり、県知事表彰６人、県精神保健福祉連絡協議会会長表彰４人、県精神科病院協会会長表彰１２人に河野知事らが表彰状を授与。受賞者代表し、知事表彰を受けた鈴木紀代子さん（延岡市）が「私たちは就労支援や社会復帰活動、自殺防止への取り組みなどさまざまな形で県の精神保健福祉向上に努めてきた。長年の活動が認められた証として誇らしく思う」と謝辞を述べた。

◆ロンドンパラで金浦田さん特別講演

　この日はまた、２０１２年ロンドンパラリンピックのゴールボール競技で金メダルを獲得した浦田理恵さんが特別講演。「一歩踏み出す勇気～小さな積み重ねと感謝の習慣」の演題で話した。

　２０歳で発症した網膜色素変性症で、視力のほとんどを失いながらも挑戦することへの楽しさを見いだした浦田さんは「思考が変われば言葉が変わる。言葉が変われば行動が変わる。行動が変われば習慣が変わる。習慣が変われば性格が変わる。性格が変われば運命が変わる」と朗らかに語った。

県北関係で表彰を受けたのは次の人たち（敬称略）。

【県知事表彰】鈴木紀代子（延岡市、三味線ボランティア）。

【県精神保健福祉連絡協議会会長表彰】甲斐周平（門川町、医療法人向洋会社会復帰施設さつき寮施設長）河野絹代（延岡市、延岡市地域活動支援センターみなと生け花ボランティア）森下キヨ子（同）工藤泰宏（高千穂町、就労継続支援Ｂ型事業所ふれあい作業所あまてらす施設長）。

【県精神科病院協会会長表彰】甲斐直子（高千穂町、国見ケ丘病院看護師）原口明子（延岡市、延岡保養園看護師）佐藤一也（延岡市、吉田病院准看護師）椿原孝二（門川町、田中病院准看護師）。