建設マスター、県北から３人

本紙掲載日：2022-11-04

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優秀な技能や後進育成を顕彰－国土交通省

　土木建設業に従事する優れた技術者をたたえる国土交通省の建設マスターが１０月１８日発表された。県内からは７人が選ばれ、このうち県北からは延岡市の岡田正夫さん（５２）＝木村建設＝と、志田和弘さん（４９）＝日新興業＝、高千穂町の冨高徹雄さん（４７）＝冨高工業＝が顕彰された。優秀な技能を持ち、後進の指導・育成に貢献した全国の土木建設技能者を顕彰するもので、顕彰式典は同日、東京都千代田区のよみうりホールで行われ、顕彰状が授与された。

　木村建設（三須町）の岡田さんは、コンクリート型枠大工として３０年以上のキャリアを誇るベテラン。板などで囲んだ枠にコンクリートを流して構造物を作り上げる職人で、同社では現場責任者として日々の業務に励んでいる。地元関連の仕事では、東九州高速道路の吉野町と三須町をつなぐ延岡若あゆ大橋や大瀬大橋の橋脚、大貫町親水公園の階段などに携わった。

　木村正夫代表は「会社としても初めてのことで、非常に名誉なこと。『きれいな仕事をしよう』をモットーにしてきましたが、社員一丸となってさらに精進したい」と笑顔でたたえる。

　岡田さんも「知らせを聞いた時は本当にうれしかった。いつまでも形に残る仕事なので、これまでもそうでしたが、より一層きれいな仕事を心掛けたいですね。本当に励みになります」と話していた。

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　日新興業（北小路）の志田さんは道路舗装の施工管理技術が評価された。約３０年のキャリアを誇り、主に国道の修繕工事を担当する。受賞に関して「頂けたのは、先輩たちの指導のおかげ。皆さんに感謝しつつ受賞を報告したい。責任というかプレッシャーも大きいが、やる気は出ます」と話す。

　国道の道路修繕の工事は夜間の仕事になるため、一般車両に分かりやすい規制と作業車のスムーズな搬入、地域の皆さんに迷惑を掛けないための下準備が不可欠という。「工事開始から短時間で完了できるようチームワークを大切にやっています」

　上司の吉川真人さんも「弊社で３人目の受賞となりますが、簡単に頂けるものではありません。志田さんは、どんな工事でも無事故で完成させることがいかに難しいかを熟知してくれているので、日頃から信頼を寄せています」と目を細めた。

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　冨高工業の冨髙さんは、創業者である祖父から５８年続く同社の若き４代目。西臼杵郡の土木、解体、橋梁（きょうりょう）補修・補強工事などに従事し、公共、民間事業を多数手掛けてきた。受賞の知らせに「今までの働きや技術を評価していただけてありがたい」と喜ぶ。

　高千穂高校出身。福岡大学経済学部（福岡県）、九州測量専門学校（熊本県）を経て２０００年に入社。０２年に地区建設業協会青年部へ入り、現在は社長や重役となっている多くの同業者らにもまれながら土木の手技を〃自分のもの〃にした。

　入社から数年後、祖父らが手掛けたことのある現場で新たな施工を行うことになった際、地権者に「冨髙工業で良かった」と歓迎された経験から、地元に愛される仕事を何よりも重視する。

　担い手不足を嘆く一方、父の仕事に興味を持つ長女・桜子さん（１１）、長男・民人さん（８）には「跡継ぎの使命を感じてほしくない」と複雑な思いも。「他の選択肢を知った上で土木業を選んでくれるなら大歓迎。魅力ある仕事として広く認知してもらえるよう頑張りたい」と力を込めた。