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台風被害−諸塚村のシイタケ

本紙掲載日:2022-11-07
3面

原木生産に影響−作業道崩壊、伐採時期なのに搬出困難

 9月の台風14号被害の影響が、諸塚村特産である原木シイタケの生産にも及んでいることが、4日に開かれた村議会臨時会で明らかになった。災害復旧費を盛り込んだ2022年度一般会計補正予算案の審議で、若本幸徳議員の質疑に西川健村長らが答えた。

 同村、JA日向諸塚支店、耳川広域森林組合諸塚支所の3者はこれまで、原木を「購入したい人」と「提供できる人」を調整する独自の制度「椎茸原木銀行」を設け、原木シイタケの生産を支えてきた。

 今年も例年通り8月に募集を開始。「提供できる人」約30人から応募を受け付け、9月中旬に現地査定を予定していた。

 ところが、台風14号の襲来で搬出に使う作業道などが、路肩が崩れるなどの被害を受けた。ようやく10月中旬から下旬に現地査定を実施したが、搬出が難しい場所が多く、「提供できる人」は約半数に減ってしまった。

 現在、村内では生活道を中心に仮復旧を進めているため、作業道などには手が回らない状況という。ただ、10月下旬から11月上旬にかけ、今まさに原木の伐採時期を迎えており、この時期を過ぎてしまうと菌の活着率が低下し、シイタケの発生や収量が減ってしまう。

 さらに、台風14号の襲来による葉落ちで、伐採の目安となる葉の色付きを確認できなくなった上、原木の水分を飛ばすため伐採後、葉を付けたまま寝かせておく「葉枯らし」もできなくなった。

 このような状況を踏まえ「伐採の減少が懸念される」と西川村長。また、例年クヌギの原木が人気だが「全体量が少ないため、購入したい人には、ナラと混合して購入していただくよう、お願いしていくしかない」と中田直樹産業課長。「伐採できるところは伐採し、購入したい人の要望に極力応えたいが、大変厳しい状況」と説明した。

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