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黒田工業(日向)に環境大臣賞−3R推進

本紙掲載日:2022-11-18
3面
3R推進功労者等表彰で環境大臣賞を受賞した黒田工業

廃プラ再生、福祉など複合的に社会貢献

 日向市の黒田工業(加藤功司社長)がこのほど、2022年度リデュース・リユース・リサイクル(3R)推進功労者等表彰で環境大臣賞を受賞した。同賞は県内初という。リデュース・リユース・リサイクル推進協議会主催。

 同表彰はリデュース(発生抑制)、リユース(再利用)、リサイクル(再資源化)の3Rに率先して取り組み、顕著な実績を挙げている企業や学校、団体、個人などを表彰するもの。同協議会が全国の環境団体から推薦された中から選出する。

 今年は全国から71件の推薦が寄せられ、内閣総理大臣や経済産業大臣など大臣賞8件、会長賞15件の全23件が受賞した。

 黒田工業は、プラスチック循環利用協会の推薦を受け、「プラスチックリサイクル事業の実践と3R活動によるSDGsへの挑戦」のテーマで環境大臣賞を受けた。

 1964年に延岡市で創業し、農業用廃プラスチック類を中心にリサイクルを行ってきた。当時、ハウスビニールなど農業用フィルムの廃棄物は、再生原料として価値が高かったものの、泥や農薬などかすの付着が原因でリサイクルが困難とされていた。

 同社は、国内で破砕機が普及していない当時から、破砕や洗浄方法を研究。70年代後半には、製品化(農ビパウダー)を確立し、現在も建材メーカーのビニール床タイルとして安定供給している。

 2007年には、日向市工業団地内にひゅうがリサイクルセンターを建設。完全民間施設では異例となる1市2町2村(日向、門川、美郷、諸塚、椎葉)の一般廃棄物すべてを回収処理している。一般廃棄物に加え、産業発棄物の処理も行う複合型処理施設で、処理だけでなく再商品化、固形燃料(RPF)の製造も行う。

 さらに15年には、就労継続A型事業所の「HRCplus」を設立。障害者の雇用促進を軸に廃棄物処理事業の労力不足解消を進めている。

 これら環境、福祉、リサイクルなど複合的な事業を通じて社会貢献を目指す取り組みが評価された。

 加藤社長は「事業を継続してきたことが評価されうれしく思う。汚れ物や危険物を扱うからこそ、社員の安全安心のため設備を整えるとともに、さらに最先端の技術を追求していきたい」と話した。

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