市場経済の仕組みなど学ぶ

日之影中で独占禁止法教室−公取委事務総局九州事務所

　公正取引委員会事務総局九州事務所（垣内晋治所長）による独占禁止法教室は１日、日之影町立日之影中学校（中窪順一校長、７９人）であり、３年生２６人が市場経済の仕組みや競争の重要性などを学んだ。

　同事務所総務係長の幸屋健太郎さん（３９）らが講師として訪問し、売り手と買い手が自由に商品を売買する「市場」、市場から成り立つ経済の仕組みを指す「市場経済」について解説。販売者と消費者に扮（ふん）し、同じ商品に付与されるサービス内容の違いを競うゲームで「競争」を体験した。

　競争は、サービスなどを高め合うことでさまざまな利益が生まれる一方、勝ち抜くためには永続的努力が求められることに言及。悪質な買収により独り勝ち状態をつくる「独占」や価格を不当に統一する「カルテル」など、競争を避ける違法行為について説明した。

　経済の発展や消費者利益を確保するために公正で自由な競争の必要性を訴え、市場経済の基本的ルールを定めた「独占禁止法」や違法を取り締まる公正取引委員会の仕事を紹介。代表生徒が立入検査と事情聴取を体験する時間もあった。

　小川櫂さん（１４）は「名前の印象と違い、消費者のための法律だと感じた。損をしないよう知識を蓄え、厳しく商品を比較する目を養いたいと思います」と感想。幸屋さんは「競争の大切さや私たちの仕事を知り、必要性についても理解した上で〃良き消費者〃になっていただければと思います」と話した。

　同教室は、子どもたちに身近な消費生活を中心とする経済活動の意義を伝え、将来に役立ててもらおうと２００２年に始まった。要望のあった学校で毎年行っており、県内の中学校では今年度初。今後は宮崎市などで実施予定という。