災害時に命を守るため日頃から準備を

本紙掲載日：2022-12-13

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防災学習で小田所長の話に耳を傾ける生徒

災害派遣時に自衛隊員が携行するリュックを背負う生徒

自衛隊員が防災学習－富島中

　津波災害への準備や心構えを考える機会として、日向市立富島中学校（田中裕久校長、４４１人）は１１月３０日、同校体育館で防災学習を実施した。自衛隊宮崎地方協力本部日向事務所の小田裕二所長ら自衛官３人を講師に迎え、東日本大震災の教訓などから災害に対する備えの大切さを学んだ。

　防災学習は、今月１８日に初めて実施する校区内一斉の防災訓練の事前訓練として実施した。小田所長が「いざという時の備え」をテーマに講演した。

　この中で小田所長は、人命救助のタイムリミットについて説明。人間が水を飲まずに過ごせる限界は７２時間とし、命をつなぎ止めるためには日頃からの準備が必要と強調した。また、生き残るための対策として、防災マニュアルの活用▽定期的な防災訓練の実施▽防災グッズの備蓄▽ハザードマップによる避難場所の確認などを挙げた。

　続いて、東日本大震災の被災状況を収めた映像を流し、岩手県釜石市の小中学生の多くが津波から逃げ切った「釜石の奇跡」を紹介。「日頃の備えを生かし、小中学生や地域住民らが協力して避難にベストを尽くした。てんでんばらばらに高所に避難する『津波てんでんこ』を実践した」と解説した。その上での教訓として、①想定にとらわれない②最善を尽くす③率先して避難者となる（まず自分が進んで避難する）が重要と伝えた。

　また、「三つの備え」についても話し、家族や友達などと緊急時について話し合う「心の準備」、避難訓練などの「行動の準備」、非常時用持出品、備蓄品などの「非常用品の準備」の必要性を語った。最後に「備えあれば憂いなし。しっかり準備して、自分の命は自分で守ってほしい。家族や近所、地域とのつながりも大切にしてください」と結んだ。

　このほか、災害派遣時に自衛隊員が携行するリュックも披露。衣類や水、食料などが入った約３０キロのリュックを生徒が背負って、その重さを体験した。生徒を代表して椎葉清蘭さん（２年）は「東日本大震災の映像を見て、日頃の備えが大切だと改めて思った。学んだことを生かして家族と話し合ってみたい」とお礼を述べた。