縁起物の千両、南天−クリスマスと正月用飾り

延岡花市場−１４日、競り市

　延岡市東浜砂町の延岡花市場（株式会社延岡生花地方卸売市場・岡田明利代表）で１４日、クリスマスのデコレーションや正月用飾りの市があり、競り人と買い受け人の掛け合いが響いた。

　競り場には、実が赤く色づいた千両や実南天、葉が紅葉した葉南天、お供え用のユズリハ、クリスマス用となる金銀赤の塗り物など、縁起物の商材が並んだ。

　入荷量は新型コロナの陽性者が再び増え始めたことを反映してか、千両が前年比約４０％減の３０００本、葉南天は同比１０％減の約３６００本。一方で、塗り物は同比で約４０％増となる３５００本に増えた。

　競り人が順番に競り台を巡りながら大きな声で競り値を示すと、買い受け人は納得のいく価格になるまで熟考。予定の価格に届くと、勢い良く手を挙げた。

　５日に同市場で行われた松市では、平均単価も高値となったが、１４日までの９日間で、コロナ陽性者が増えてきた影響で状況が一転。必要な品と量はあらかじめ確保していた買い受け人も少なくなかったこともあって、単価は松市の時ほどには伸びなかったという。

　岡田代表は「この３年間で、県外の千両生産者はやめてしまった人も多い。それに対して延岡市の三北産の千両が品質が良くなったことから、地元産の人気が急上昇しました」と地物の評価が高まっていることに目を細めた。

　その一方で、「コロナ禍などで社会不安が増大し始めているため、クリスマスや正月を祝おうというムードが一変したとも考えています。この不安な空気を覆す明るい動きがほしいですね」と話していた。