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今山八幡宮蓬莱館建て替え

本紙掲載日:2022-12-15
3面
木に登って行う特殊伐採作業

周囲の高木特殊伐採

◆〃空師〃3人ボランティアで作業・延岡

 延岡市山下町の今山八幡宮蓬莱館の建て替えに合わせ、高く伸びたスギやヒノキなどにロープで登り、周りの安全を確保して取り除く特殊伐採作業が行われている。特別講習を受けたアーボリストと呼ばれる市内の3人がボランティアで作業、「仕事そのものを知ってもらう機会にもなれば」と話している。

 アーボリストは「樹護士」と訳され、樹木に関する知識や樹上でのレスキュー、ツリークライミングなどの技術を習得した樹木に関するプロ。欧米発祥だが、10年ほど前から日本でも講習があるなど、普及し始めた。日本で言う「空師」と同じ様な役割だという。

 市内では、今井敏喜さん(46)=緑清園=、粂田彰則さん(44)=K−オフィス=、増田慎司さん(41)=増田庭園=の3人がトレーニング研究所で講習を受講し、認定を得た。県内でも10人弱の珍しい存在という。

 普段は樹木医、庭師などとして仕事しながら、重機が入れない狭い場所や、すぐそばに民家があって伐採に伴う危険がある場合などは、3人で特殊伐採を行っている。今回は夏、秋に行われる同社の「御神幸祭」でみこしを担いでいる縁で相談を受け、ボランティアを申し出た。先月末から伐採作業を行っている。

 11日には、午前中に登る必要のない3本を伐採し作業スペースを確保した上で、午後から特殊伐採に着手。全長20メートルほどのカシにロープを投げて引っかけると、増田さんがロープで登り、今井さんと粂田さんは緩まないよう、下からロープを引っ張り作業を進めた。

 高い木は上部から順番に余分な枝を切り落とし、少しずつ短くして倒す「段切り」が主流で、3人はさまざまな角度から枝を見ながら切る順番や方向などを検討。切り落とす枝はロープを結んでおり、伐採後はロープをゆっくりと下ろして落下を防いでいた。

 大きな木は1本を1日がかりで作業するなど、時間がかかるが「安全に気を使い、落とさない、壊さないが基本」とメンバー。蓬莱館の建て替えに伴う作業は近く始まる予定で、今後も工事との兼ね合いを見ながら、特殊伐採を続けるという。

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