消防団活動の在り方について意見交わす

本紙掲載日：2022-12-22

2面

延岡市で開かれた県北ブロックの消防団正副団長会議

延岡城・内藤記念博物館の見学も

県北ブロック正副団長会議

　県北ブロックの消防団正副団長会議がこのほど、延岡市のカルチャープラザのべおかであった。県消防協会延岡、日向、西臼杵各支部の９消防団などから約５０人が出席、今後の団活動の在り方などについて意見を交わした。会議は延岡市消防団の荒木清団長を座長に、①消防操法訓練、消防操法大会の在り方について②消防団員の処遇改善についてをテーマに話し合った。

　①については、火災現場の最前線で安全に活動するために必要な操法技術を競う操法大会や、それに向けた訓練が団活動の過度な負担になっていることが課題として挙げられ、「訓練時間は各部の判断に任せている」「団員数が少なく、無理に大会に出てほしいとは言えない」などの意見が出された。

　また、大会の審査基準にある「迅速性」について、「確実性、安全性の上に成り立つもので、そこまで重視するポイントではないのではないのか」と、競技の在り方を指摘する声も。これを受け、「操法は消防団活動の基本。大会は競争ではなく、自己研さんであるべき」という認識を共有。県消防協会の髙橋昌久会長らは「大会での優勝を目指して練習するのではなく、一生懸命練習した結果、優勝に結び付く形が理想」と結んだ。

　また、②については２０２１年から消防庁が推進する団員報酬の個人支給、手当の増額などの改善策を踏まえ、各団長が意見交換。「個人口座を持っていない団員もいる」「個人支給にすると、団活動の資金がなくなる」などの一方、「さまざまな事情はあるにせよ、国の意向には粛々と従っていくべき」という認識でおおむね一致した。

　また、県危機管理局消防保安課の寺田健一課長は、消防行政の立場から「（今回の改善策は）１年ですべてをやってしまおうとしたことが問題だった」と指摘。「われわれも、処遇改善が団員の増加につながるとは考えていない。地道にやっていくしかない」と呼び掛けた。

　この日は、女性消防隊員の意見交換会も併せて行われたほか、宮崎市消防局総務課の川野知行主査による講演、延岡城・内藤記念博物館の見学会もあり、親睦を深めた。

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