延工生がメニュー考案

４種類、旭化成の社員食堂で販売

◆骨粗しょう症予防を意識―

　県立延岡工業高校（安楽耕三校長）生活文化科の１年生４０人が、旭化成延岡支社の出前講座をきっかけに骨粗しょう症予防の食事メニューを考案し、１９〜２１日に旭化成長浜町地区工場の社員食堂で実際に販売された。

　提供されたのは、▽彩り卵あんかけ（８０円）▽鶏肉の中華卵とじ（２９０円）▽メヒカリとたっぷり野菜の旨辛（うまから）混ぜ丼（４１０円）▽うまＣａ（か）ラーメン（３１０円）の４種類。

　野菜はほうれん草や小松菜、揚げ物の衣やアクセントに高野豆腐のパウダー、味付けにスキムミルクや粉チーズなど、いずれもカルシウムを豊富に含み、比較的安価で量的にも満足してもらえる食材を取り入れた。

　旭化成延岡支社は骨粗しょう症の予防や早期発見を推進しようと、延岡市と「自分の足で１００年歩けるまちづくり」の連携協定を結び、若い世代に向けた啓発活動の一環として２月から延岡工業高で出前講座を実施。骨密度検査も体験し、寝たきり予防などのため骨の健康がいかに大事かを学んだ生徒らが、自主的にメニュー開発へ取り組んできた。

　グループ分けして１０種類のメニューを考案し、ＰＲ動画や栄養評価表も作成。支社や社員食堂の職員にプレゼン（提案発表）し、食堂利用者の年代や好まれそうな内容で、通常の食堂メニューと重ならないことなどに考慮して４品に絞った。

　販売初日には提供メニューを考案した生徒２０人が社員食堂を訪れ、昼食時間に合わせた場内放送や、入り口で手作りの看板を掲げてアピール。注文してもらった利用者にはボトル飲料などとの引換券や、景品が当たる期間中のスタンプラリーカードも配布した。

　その成果もあって、提供メニューは売り切れる人気ぶり。ラーメンと卵あんかけを注文した女性社員（６２）は、「個人的には少し濃い味でしたが、とてもおいしかった。社員食堂は毎日のように利用しているので、こうした健康メニューがあるのはありがたい」と喜んでいた。

　うまＣａラーメンの開発を担当した生徒の甲斐悠那さんと重黒木真央さんは、「試作段階では見た目も味も食欲をそそらず、一からやり直したのですが、とてもおいしく仕上がった」「長くなりすぎず分かりやすい商品名にするなど苦労もあったが、自分たちの考えたメニューが実際の商品になるということで、より真剣に取り組めて勉強になった」と振り返った。