仕事が楽しいから続けてこられた
本紙掲載日：2022-12-30
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閉店した菓子店「弁天堂」の日高さん
地域の人たちに長年愛されてきた延岡市永池町の菓子店「弁天堂」が今秋、６５年ほどの歴史に幕を閉じた。店主の日�盖�子さん（８６）は、「主人が亡くなった後も、仕事が楽しいから続けてこられた」と感謝している。
弁天堂は京子さんの夫・民雄さん（２０１５年に他界）が中川原町で創業。別の菓子店で仲卸として自転車で駆け回っていた京子さんと結婚後、二人三脚で菓子作りにまい進してきた。１９９４年には「焼きあゆ姿パイ」で全国菓子博覧会の大臣栄誉賞を受賞するなど、高く評価された。
民雄さんが他界後は、京子さんが菓子作りから販売まで、店の切り盛り全てを一人でこなしてきた。粉アレルギーでありながら、手袋を何枚も重ねるなど工夫し、民雄さんを手伝いながら身に付けた技術と「作るのが好き」という意欲で、チーズまんじゅう、備長炭、もなかなど、看板商品を並べ続けてきた。
コロナ禍で販売数が減少したこともあり、「やめ時」と店を閉じることを決めたという。「主人が亡くなってからも『うちのじゃないと』と言ってくれる人がいた。人の助けもあった。事故なく終えられて良かった」と感謝し、「（時間ができるから）今までできなかったことができる。楽しみ」と笑顔で話した。