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◇次の100年へ、何事にも挑戦−繁昌さん
◇水力発電は純国産の再エネ−山本さん
◇ドラマ生まれる未来にわくわく−難波さん
今注目のSDGs(エスディージーズ)をテーマに、地域や地球の未来を共に考えるFMのべおかの番組「ココカラSDGs」の第22回「今こそ知りたい!『地の利』生かした再生可能エネルギー」が、19日に放送された。内容を一部抜粋して紹介する。
アドバイザーはSDGsコミュニケーターの難波裕扶子さん(50)=シンク・オブ・アザーズ代表、日向市亀崎西=。ゲストは旭化成延岡総務部愛宕・長浜地区サービスセンターセンター長の繁昌久哲さん(48)、旭化成延岡支社延岡動力部部長の山本恵一さん(57)。なお、収録は16日に行われた。
−−第22回のテーマは「今こそ知りたい!『地の利』生かした再生可能エネルギー」です。
〈難波〉地球温暖化問題とエネルギー問題を解決できる重要な対策の一つとして取り上げられているのが、今世界的に注目されている再生可能エネルギー(化石燃料よりも環境への影響が小さい自然エネルギー)です。
昨年5月に創業100年を迎えた旭化成の誕生が、なんと県北の「地の利」を生かした再生可能エネルギーに起源があることを知り、ぜひ詳しく知りたいと思い、今回のテーマにしました。
−−繁昌さん、山本さん、自己紹介をお願いします。
〈繁昌〉1997年に入社し、旭化成柔道部、東京での営業職を経て2013年から延岡総務部に在籍しています。鹿児島出身ですが、入社後は延岡での生活が一番長くなり、第二の故郷となっています。
〈山本〉昨年4月に延岡に赴任しました。それまでは出張で訪れる程度でしたが、住んでみると食べ物はとてもおいしいし、焼酎文化も好みにどんぴしゃです。そして何より、穏やかな人と人のつながりに癒やされています。
−−改めて旭化成について教えてください。
〈繁昌〉旭化成は1922年に創業し、昨年5月に100周年を迎えた総合化学メーカーです。
工場建設の敷地探しで延岡を訪れた創業者・野口遵(したがう)が、愛宕山から輪を描くように持っていたステッキをぐるりと回し「これくらいの敷地がほしい」と言った、という話が伝わっています。そして23年に建設された工場が、延岡での発祥の地となる現在の愛宕地区工場で、おかげさまで今年100周年を迎えます。
水電解の水素を利用するカザレ法でアンモニアを合成することに、ここ延岡で日本で初めて成功するなど、合成化学や化学繊維事業からスタートし、その後、日本経済の発展や社会環境の変化に対応しながら、積極的に事業を多角化してきました。
現在は繊維・ケミカル・エレクトロクス事業からなる「マテリアル」、住宅・建材事業からなる「住宅」、医薬・医療・クリティカルケア事業からなる「ヘルスケア」という三つの領域で事業を展開しています。
その中で私が所属する延岡総務部は、延岡日向地区全域の総務機能に携わっています。
−−延岡動力部について教えてください。
〈山本〉旭化成の延岡支社は延岡地区5カ所、日向地区1カ所の計6カ所に工場群があり、その工場群に電気や蒸気などの用役を供給しているのが、私が所属する延岡動力部です。
延岡動力部は熊本県から宮崎県の県北に至る五ケ瀬川水系に9カ所の水力発電所と、延岡地区に3カ所の火力発電所を有しており、発電所で生産した電気や蒸気を旭化成グループの工場群に供給しています。また、再生可能エネルギーである水力発電や、バイオマスを活用した火力発電を積極的に活用しようとしています。
−−野口氏の功績をたたえ新たに生まれ変わった「野口遵記念館」が、昨年12月18日に開館しました。
〈難波〉ホールは延岡産の木材をふんだんに使っているそうですね。地元の木材が多く使用された同館から、多くのドラマが生まれ続けていく未来にわくわくしている一人です。
〈繁昌〉今月9日に行われた内覧会で市民の皆さんからたくさんの声を頂き、その期待は非常に大きなものだと感じています。市民の皆さんと共存共栄できる記念館になることを願っています。
間もなく運転開始から100年を迎える五ケ瀬川発電所が、改修工事を終えたそうですね。
〈難波〉実は、昨年12月に改修工事を終えた五ケ瀬川発電所を見に行き、施設の大きさに圧倒されました。昔の写真と見比べましたが、ほとんど変わっておらず、あの水力発電所を重機がない100年前につくった先人の力は本当にすごいなと思いました。
〈山本〉延岡動力部に所属する前の5年間は、全国に7カ所ある動力部門を管轄するエネルギー総部のエネルギー業務部長を務め、2018年には五ケ瀬川発電所の改修工事の提案に奮闘しました。また9カ所の水力発電所のうち、改修が終わっていない6カ所についても順次、改修することを提案して承認されました。
改修工事を行った理由は、最も古い五ケ瀬川発電所がまもなく運転開始から100年を迎え、基本構造部の老朽化が進み、設備の信頼性の問題が顕在化しつつあったからです。さらに、16年の熊本地震の時に経済産業省から「水力発電設備に対して100年に1回発生するような地震(L2想定)での耐震性評価と減災対策をすることが望ましい」という考え方が示されました。耐震信頼性の確認作業を実施し、改修が必要との結果になったことも理由の一つです。
五ケ瀬川発電所の改修工事の際に、既存の発電設備の状態や約100年前の建設時の状況を調べてみると、先人のすごさに驚かされました。例えば、五ケ瀬川を活用して物資を運搬するときは牛を使って川を上がり、道なき道の山道を通って運ばせていたようです。先人の努力には脱帽します。
〈繁昌〉建設に携わった人数や時間は到底想像できませんが、先人のおかげで今の旭化成があると思います。感謝の言葉しかありません。
〈山本〉五ケ瀬川発電所の大きな3本のパイプは水圧鉄管と呼ばれ、その水圧鉄管の上に水槽、下には水車があります。落差を利用して水車を回し、水車に連結している発電機を回して発電しています。つまり、落差と水量で発電量が決まり、非常に効率が良い発電所です。
落差は約55メートル、最大水量は1秒間当たり30トンです。水槽の水は、五ケ瀬川の上流にある取水口から導水路と呼ばれるトンネルを通って供給されます。水槽の水面の高さは取水口の水面の高さと同じです。五ケ瀬川発電所のように落差が急なところはトンネルの距離が短くても十分な落差が確保できるため、五ケ瀬川は水力発電に非常に向いている川です。この五ケ瀬川の水力発電の設備の良さを見いだしたのが野口遵です。
−−水力発電の魅力や可能性を教えてください。
〈山本〉水力発電は水資源に恵まれ、急傾斜の河川が多い日本では非常に有効な発電です。改修前の五ケ瀬川発電所では、100年近く発電を継続してきました。そのため今回の改修工事から100年間、発電できることが期待できます。水力発電設備は耐久年数が長く、火力発電に相当する燃料が河川の水のためコストが掛からず、非常に安く発電できます。
また、五ケ瀬川発電所のような流れ込み式の水力発電所は、河川の水が多ければ発電量が多くなり、少なければ発電量も少なくなります。そのため弊社では火力発電所の発電量を調整したり、九州電力から電気を売買して調整したりしています。
しかし、河川の水は農業用水や都市用水などに使う利水目的と河川の氾濫を防ぐ治水目的があり、水利権は厳しく管理されています。今回の水力発電所の改修においても、従来から保持している水利権を活用して改修しています。新たな水利権を取得することは困難なので、新たな水力発電所の建設は容易なことではありません。
−−地球温暖化防止などの観点から、純国産の再生可能エネルギーの必要性が叫ばれています。
〈山本〉純国産の再生可能エネルギーである水力発電所を保有しているため、トラブルなどで停止することがないように順次、改修を進めていきたいです。何もしなければ停止したり使えなくなったりする可能性があるため、常に使える状態を保つことが大事です。
また、延岡地区には火力発電所もあります。火力発電所においても再生可能エネルギーであるバイオマスの比率をアップするように進めています。よく使われているのは輸入バイオマスですが、弊社では国産バイオマスを使っています。国産バイオマスは手に入りにくくなっており、だんだん輸入バイオマスを使わざるを得ない状態になっています。
また、輸入バイオマスは燃料価格市況に左右されやすいため、現在は国産バイオマスが調達できるように模索を行っています。模索の例として、弊社の遊休地に5年程度で成長する早生樹を植樹して燃料として使うといったバイオマスのリサイクルを検討しています。
−−先進国や途上国にかかわらず、カーボンニュートラル実現へ向けて今、世界中が力強く進もうとしています。
〈山本〉弊社ではGHG(温室効果ガス)削減目標をつくりました。2030年までに13年度比30%削減、50年にはカーボンニュートラルにすると公表しています。
弊社のGHG排出量の4分の1は、延岡動力部から排出されています。弊社全体というよりも、延岡動力部のGHGの削減をしなければいけません。そこで、まずは30年までをめどに取り組みを始めています。
−−旭化成の名誉フェローでノーベル化学賞を受賞し、野口遵記念館の名誉館長に就任された吉野彰さんが、開館式典で次のように話されました。「野口さんが成したことをヒントに、100年後に生きる若者たちが何をすべきか考え、延岡からたくさんのイノベーションを生み出してほしい」。私たちは何をすべきでしょうか。
〈繁昌〉昨年4月に弊社で初めて、延岡出身者である工藤幸四郎が社長に就任しました。弊社では2024年度までの3カ年中期経営計画のコンセプトを「BeaTrailblazer(先駆者たれ)」と掲げています。
常に先を目指して挑戦を続けてきた弊社グループの精神を最大限発揮したいという工藤の思いが込められています。
私は年少の頃から柔道を学んでいます。大学の恩師である山下泰裕先生が色紙にサインを書く時に、「挑戦」という文字を一言加えて書いていました。柔道の道を究めた先生でも挑戦の気持ちを持ち続けていると思った記憶があります。
次の100年へ向け、失敗を恐れずに何事にも挑戦する気持ちを持って取り組んでいきたいと思います。
〈難波〉旭化成が新しい未来、豊かさに挑戦する姿を見せることで未来が変わっていくと思います。期待しかありません。その姿を子どもたちがこの場で見ることができるのは価値のあることで、まさしく「地の利」です。延岡市の皆さんには胸を張ってほしいです。
□再放送
26日午後8時からと、29日午前11時からの2回
◆提供:旭化成、グローバル・クリーン
□第23回の内容
〈テーマ〉「2030年まであと半分」
〈放送日〉2月16日午後1時から
〈再放送〉2月23日午後8時から、同26日午前11時からの2回
□再放送□26日午後8時、29日午前11時からの2回。