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林業労災、発生時の対応迅速に

本紙掲載日:2023-02-01
2面

従事者ら消防の救助訓練など見学−高千穂

 林業労働災害を想定したレスキュー訓練が20日、高千穂町の親父山(四季見原すこやかキャンプ場付近)であった。林業に関わる西臼杵郡と東臼杵郡の32団体約180人が参加。西臼杵広域行政事務組合消防本部協力の下、救助訓練の見学などを通じて防災意識を高めた。主催は県西臼杵支庁(河野龍彦支庁長)。

 この日はまず、防災救急ヘリ「あおぞら」による空中救助訓練を実施。現場作業員1人が足や頭部を負傷して動けなくなったとの想定で、119番通報からヘリの到着、負傷者のつり上げ、搬送までを見学した。

 ヘリの到着を待つ間、講師を務めた同消防本部の齊藤豪警防係長(42)が、通信状況が悪い場合の対処や応急処置法などをレクチャー。また、空中救助は座標確認が最も重要であり、スマートフォンなどで座標を調べられる環境を整えることや、現場作業中は応急キットや担架などを常備することなどを勧めた。

 続けて、消防隊員が地上救助訓練を披露。ロープ、ウインチ、スケッドなどを組み合わせ、斜面下に横たわる要救助者を引き上げた。解説を聞きながら、緊迫した本番さながらの訓練を見届けた後、休憩を挟んで町武道館へ移動。復習を兼ねた講習などに臨んだ。

 県西臼杵支庁によると、昨年、県内で発生した林業労働災害は85件。うち5件が死亡災害となっており、県全域に林業死亡労働災害多発警報が発令されている。訓練は災害発生後の迅速な対応を身に付け、死亡災害や重篤な健康被害を減らそうと初めて開催された。

 空中救助訓練で通報役を担当した西臼杵森林組合の甲斐大地さん(30)は「ヘリの到着位置と災害発生地点の座標に若干のずれがあり、通話で誘導したが、こちらからは見えているのにヘリからは見えていないというもどかしさを感じた。良い経験になったので、災害時の的確な行動に役立てたい」と話していた。

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