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入賞者27人−全国から訪れた14人に賞状

本紙掲載日:2023-02-22
3面
第23回若山牧水青春短歌大賞の表彰式に出席した受賞者
出席した受賞者と会話を交えながら行われた審査員講評

第23回若山牧水青春短歌大賞−延岡市が表彰式

 第23回若山牧水青春短歌大賞の表彰式が18日、延岡市紺屋町のエンシティホテル延岡で行われた。大賞(3人)、優秀賞(12人)、審査員特別賞4賞(同)の入賞者27人のうち、全国各地から訪れた14人に賞状と記念品が贈られた。

 今回は6〜97歳の幅広い年代から応募があり、前回に続いて2万首を超える2万3214首が寄せられた。このうち中学生部門が約半数の1万1027首に上り、次に多かった高校生部門の6202首を合わせると、「青春短歌大賞」の名にふさわしく中高生だけで7割以上を占めた。

 また、新たにスマートフォンなどで気軽に応募できるウェブ投稿が可能になり、大学生等・一般部門の応募も増加。各賞に加え、214首が佳作に選ばれた。

 式典では主催者を代表して読谷山洋司市長が多くの応募を喜び、「牧水先生のおかげで、まだお目にかかったことのない、延岡にお越しいただいていない方々ともすでに心の交流を通わせていただけている」と感謝。本部仁俊市議会議長は「今後も感性を生かした素晴らしい作品を応募して、青春短歌大賞を盛り上げていただきたい」と期待を込めた。

 表彰に続き、審査員の俳人坪内稔典さん、歌人永田和宏さん、永田紅さんが受賞作品について講評。今年は趣向を変え、出席した受賞者との会話を交えながら歌に込められた思いや言葉選びの面白さなどを深掘りした。

 このうち、小中学生部門で大賞を受賞した大西匠さん(愛媛県東温市、重信中2年)の「知らない自分知らなかった自分知りたくなかった自分そんな自分」について、永田紅さんは「どこで切っていいか分からないような不思議なリズムだが、ぐいぐいと詠ませる勢いがある」と評価した。

 県北からは優秀賞を受賞した黒木慶志郎さん(日向市東郷学園4年)、鍋田広静さん(延岡市北浦小2年)、冨山翔太さん(同尚学館中3年)、若山牧水延岡顕彰会賞に選ばれた新名瞳さん(延岡工業高3年)が出席。

 「父さんがぼくのバットのグリップをかえてくれたよ色はむらさき」の歌で、「〃むらさき〃が印象的だった」と審査員講評を受けた黒木さんは、「お父さんが黒いバットに合う色のグリップに替えてくれた時のうれしさを表現しました」と話した。

 「しゅくだいをがんばっていたらでてきたよコソコソねずみかわいいこわい」を詠んだ鍋田さんは、児童館で友達と宿題をしていた時の出来事だったと振り返り、会場を和ませた。

 冨山さんの「あの人のことばかりだけ考える私のこころくずし字のよう」に対して坪内さんは「〃ばかり〃と〃だけ〃を重ねているところがいい」と説明。冨山さんは「まさか受賞するとは思わなかったので驚いています」と控えめに喜んだ。

 「大根とまいにち格闘母と私めざすは三十センチかつらむき職人」で入賞した新名さんは、食物検定1級の実技試験に向けた特訓を歌にしたと紹介。検定にも合格できたといい、「受賞できてすごくうれしいです」と笑顔を浮かべた。

 表彰式後には祝賀会も開かれ、受賞者や審査員が関係者と食事を囲みながら歓談。今回の作品集は現代の延岡を背に城山に立つ若山牧水が表紙絵になっており、会場では牧水延岡顕彰会相談役の塩月眞(ただし)さんが描いたことが報告された。

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