福岡矯正管区長表彰−大貫診療所の榎本医師へ

延岡拘置支所−嘱託医として献身

　宮崎刑務所延岡拘置支所の嘱託医を務める延岡市の榎本雄介医師（４８）＝医療法人あつきこころ理事長、大貫診療所＝に１７日、福岡矯正管区長表彰が贈られた。

　榎本医師は２０１７年８月に嘱託医を委嘱され、毎週、延岡拘置支所（同市桜小路）に収容されている人を往診。特殊な環境下に置かれた人たちの健康管理に尽力している。

　この日は宮崎刑務所の原田博所長が大貫診療所（大貫町）を訪れ、榎本医師に表彰を伝達。５年間にわたる献身的な協力に感謝し、「何かありましたらこちらも改善させていただきますので、末永く当支所を助けていただければ」と希望した。

　これに対し、榎本医師は「最初は慣れない中での診療だったが、所員の皆さまが丁寧に対応していただき５年間続けることができた。困難な部分もあるかもしれないが、これからも情報共有を密にしながら続けていきたい」と応じた。

　矯正管区は全国に８カ所あり、福岡管区は九州内の刑務所や拘置所・同支所、少年院、少年鑑別所・同支所の計４０施設を管轄しているが、長年にわたる医師不足に苦慮。榎本医師はこうした実情に理解を示し、「経験はなかったが更生医療に役に立てれば」と嘱託医を引き受けたという。

　社会から隔絶された環境下で精神的にも肉体的にも不調を来す人がおり、初めて入所する人、繰り返し収容される人、病歴などさまざな対応が求められるが、「なかなか担い手はなく、私で役に立てるのであればこれからも尽力したい」と話している。