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城山で歌碑祭−牧水をしのぶ

本紙掲載日:2023-03-14
3面
牧水歌碑に献酒する延岡顕彰会の飯干会長(延岡市城山公園)
4年ぶりに従来に近い規模で開かれた牧水歌碑祭

4年ぶりほぼ従来の規模で−延岡顕彰会

 第89回牧水歌碑祭は12日、延岡市城山公園内の牧水歌碑前広場で行われた。昨年までは新型コロナウイルス感染拡大防止のため関係者のみで開いてきたが、4年ぶりに従来に近い規模に戻り、若山牧水延岡顕彰会(飯干喬啓会長)の会員ら約60人が出席して郷土の歌人をしのんだ。

 歌碑は1935(昭和10)年3月21日に全国で3番目に建立された。「なつかしき城山の鐘鳴りいでぬをさなかりし日聞きしごとくに」の歌が刻まれている。正午の鐘の音を合図に、同顕彰会の塩月眞(ただし)さんが碑文の牧水歌を朗詠する中、読谷山洋司市長と飯干会長が歌碑に牧水の愛した酒を注いだ。

 また、牧水歌碑の両側には牧水を慕った谷自路と越智渓水の歌碑があり、それぞれの歌の朗詠に合わせて、自路歌碑には同顕彰会の山本行一副会長が菓子を供え、渓水歌碑には同じく上田耕市副会長が献酒した。

 飯干会長は戦中、戦後の混乱期も欠かさず歌碑祭を続けてきた先人たちの思いを振り返り、コロナ禍にあっても「細々ながらやってきた。今後もそうした思いを継承したい」とあいさつ。今月5日に出席した牧水顕彰全国大会が開かれた群馬県みなかみ町では、100年前に泊まった宿の部屋をそのまま残すなど牧水が各地で大切にされているとして、「私たちももっと大事にしていきましょう」と呼び掛けた。

 読谷山市長は明治、大正時代も10年単位でさまざまなはやり病の感染を繰り返し、マスクを着けている牧水の写真が残っていることも紹介。感染の不安やマスクの煩わしさを感じながら創作と旅を続けてきたであろう牧水に「より親近感を感じる」と語り、現在の感染が治まり多くの牧水ファンが延岡へ訪れることに期待を込めた。

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