縫合コンテスト−研修医１１人が挑戦

３種目総合−藤永さん（日向高校出身）が優勝

　県立延岡病院（寺尾公成院長）はこのほど、恒例の「縫合コンテスト」を開催し、研修医１１人が練習を重ねた手技を競い合った。手術の基礎である傷口や切開部の縫合技術を高めようと、研修プログラムの一環で毎年開催しており、今回で１２回目となった。

　「筋膜閉創（糸結び）」「血管結紮（けっさつ）」「真皮埋没」の３種目を実施。審査員を務める指導医師や看護師が見守る中、研修医らは制限時間や緊張と闘いながら、指先に全神経を集中した。

　筋膜閉創は４回の真結びの強度を測定。血管結紮は底面に固定された不織布テープ（保護テープ）がずれたり浮かないよう注意しながらも、ほどけない糸結びができるかを減点方式で競った。

　真皮埋没は跡が残りにくい縫合術で、コンテストでは皮膚を模した豚皮を使用。あらかじめ１０センチの切れ目が入れられており、研修医は正確で美しい仕上がりを目指して、針を扱う持針器とピンセットを慎重かつ素早く操りながら縫い合わせていった。

　３種目の総合得点で審査した結果、宮崎大学卒の藤永映人さん（２６）＝日向高校出身＝が優勝。「今まで各診療科の先生に教えてもらいながら身に付けてきた基礎が発揮できてよかった。この技術を患者さんに還元するため、強く、正確に、きれいに、早くできるよう、これからも日々修練に励みたい」と力を込めた。

　競技を見守った寺尾院長は「１１人の戦士たちが頑張ってくれた」とねぎらい、「単にうまくなるだけでなく、一つの技、科学を学ぶステップにしてもらえたらいい。この経験を心に留めて、どの道に行ってもスキルアップを目指してほしい」とエールを送った。