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動画、画像で通報−110番

本紙掲載日:2023-04-13
3面

今月から新システム本格運用−県警

 県警は今月から110番通報者が撮影した交通事故などの現場の動画、写真を、専用のURLから送ってもらう「110番映像通報システム」の運用を開始した。宮崎県警など、全都道府県警で本格運用に入っている。

 電話の音声だけでは伝えづらい現場の視覚状況を、スマホ、タブレットのカメラ機能を生かして警察に通報するシステム。通報者は、通信指令室の担当職員から送られてくるSMS(ショート・メッセージ・サービス)の専用URLにアクセスし、留意事項に同意することで、リアルタイムの現場の動画やあらかじめ撮影した写真の送信が可能となる。

 通報を受けた警察はGPS機能を用いて通報者の位置情報を取得。届いた映像データなどは現場に向かう警察官と共有される。

 同システムは昨年10月1日から全国で試行され、今年2月28日までに2293件のデータを受け取った。通報時に撮影された映像は262件、画像は383件。保存ファイルで送信された映像は139件、画像は1509件だった。

 内容をみると、保護、救護関係が最も多く1107件で全体の約48%。交通関係は374件で約16%だった。

 県警本部生活安全部通信指令課によると、県内でも、12件の画像を受理。内訳は交通関係が9件で最も多く、電柱に衝突した軽自動車の写真や、高速道路で軽トラから土砂が散乱している様子を捉えた写真などがあった。

 効果的に活用された通報に、駐車車両からガソリンを盗み取ろうとした状況を被害者が目撃、その映像を送信したことで検挙▽当て逃げされた被害者の車両画像から被疑者を割り出した▽行方不明となった児童の画像を母親が送信し、それを基に発見、保護した−などの例があった。

 ほかにも通報者が登山中に見つけた人骨の写真通報から、解決につながったケースもあったという。

 同課の田中敏大理事官は「無線だけでは把握しづらい状況もあるので、画像や映像のデータがあると、現場での活動も円滑に進む。県内でも積極的に導入していきたい」と話している。

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