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◆脱脂粉乳あったから今も元気−相田さん
◆募金、生活の一つになってきた−難波さん
今注目のSDGs(エスディージーズ)をテーマに、地域や地球の未来を共に考えるFMのべおかの番組「ココカラSDGs」の第26回「世界中の子どもたちの命と健康を守るために」が、18日に放送された。内容を一部抜粋して紹介する。
アドバイザーはSDGsコミュニケーターの難波裕扶子さん(50)=シンク・オブ・アザーズ代表、日向市亀崎西=。ゲストは県ユニセフ協会=宮崎市=の事務局広報部長の相田久雄さん(70)。なお、収録は17日に行われた。
▽提供:旭化成、グローバル・クリーン
■再放送■25日午後8時、28日午前11時からの2回。
−−第26回のテーマは「世界中の子どもたちの命と健康を守るために」です。
〈難波〉5月5日は「こどもの日」でした。今回は私たちの希望である子どもたちが、今どんな世界に生き、その子どもたちのために私たちは日々何をすればいいのか、一緒に考えていきたいと思います。
−−では相田さん、自己紹介をお願いします。
〈相田〉県ユニセフ協会事務局広報部長の相田と申します。私はもともとUMKテレビ宮崎に四十数年間、勤務していました。定年退職した後、UMK時代の元上司だった県ユニセフ協会の事務局長から「これからは自分のことばかり考えず、人のために尽くすんだよ」、言うならば「徳を積むんだよ」と声を掛けてもらい、「何かお役に立てることはないか」と5年前、国連児童基金(ユニセフ)の活動に加わらせていただきました。
−−ラジオをお聴きの皆さん、この声と言えば、そうです。テレビ番組「UMKさんさんサタデー」の「ごはんマン」です。
〈相田〉やってきましたごはんマン。宮崎県下115万5635人のグルメファンの皆さま、きょうは延岡市は大貫町、夕刊デイリーの食堂にやってまいりました。
さあ、こちらのメニューをご覧ください。3種類で450円。素晴らしいですね。早速いただいてみましょう。うーん、デリシャス。というようなことを昔、正午から2時間の番組の中で実況生中継しておりました。今で言う「食レポ」ですね。
初めに「宮崎県下115万人」と申し上げましたが、約30年前の当時の宮崎県の人口です。現在は104万人ですから、人口一つ取っても時代が変わったなと感じます。
−−ユニセフの活動に加わるようになった経緯について、もう少し詳しく教えてください。
〈相田〉元上司からの誘いもありましたが、もう一つ理由があります。私は1952(昭和27)年の生まれです。戦後間もない頃で、当時は着るものも食べるものも、ぜいたくなものは何もない時代でした。
小学1、2年生の頃だったと思いますが、学校給食で脱脂粉乳というものを飲まされていました。これがまずくて。脱脂という言葉通り、油を抜いたパサパサなものをお湯で溶かして飲むのです。
でも、当時の子どもたちにとっては骨を作るために大変必要なもので、それを提供していたのがユニセフだったのです。
ですから、あまりおいしくはなかったけれども、あの脱脂粉乳があったからこそ今もこうやって元気でいられるんだと。そういう思いもあって、ユニセフの活動に加わらせてもらいました。
今では日本は豊かになり、食品ロスの問題まで起きるようになっています。テレビなどのコマーシャルで聞いたことがあるかもしれませんが、日本の食卓では「最後の一粒までちゃんと食べるのよ」と言いますが、最初の一粒もない子どもが世界にはたくさんいます。
そういう現実に目を向け、世界の子どもたちを広く応援しないといけない、そんな気持ちで活動を続けています。
−−では、県ユニセフ協会の活動について教えていただけますか。
〈相田〉県ユニセフ協会は日本ユニセフ協会(東京都)を本部に、21年前に設立されました。昨年、20周年イベントを実施したところです。
日本の子どもだけでなく、世界の子どもたちにも目を向けようと、母親たちや報道機関の関係者など、いろいろな人たちが寄り添い、つくった団体です。現在は池ノ上克さんが会長をされています。池ノ上さんは元宮崎大学学長で産婦人科の医師でもあります。
また、幸せなことに2年前から大学生や高校生を中心に若手のボランティアが活動に加わってくれています。
私たちの世代と違い、SNSを活用して、どこでどういう募金活動をしますとか、何日にこういうイベントをしますとか、たくさんの情報を発信してくれています。ぜひ「県ユニセフ協会ひなたカレッジ」で検索してみてください。関心を持ってもらい、一緒に活動に加わってもらえたらうれしいです。
〈難波〉今の若い人たちには、私たちの世代にはなかった意識を感じます。学校でSDGsなどを学び、世界と自分との距離感が縮まっているのです。「自分にもできることがあるんだ」と、それぞれが自分事として捉えていることが大きく関係しているように思います。
−−4月に延岡市であった今山大師祭でも、高校生が街頭募金活動に取り組んだそうですね。
〈相田〉はい。延岡工業高校と延岡星雲高校の皆さんが、募金箱を持って街頭に立ってくれました。2月に発生したトルコ・シリア大地震のための募金活動でした。
皆さんが頑張ってくれて、なんと2日間で20万4000円が集まりました。先日、夕刊デイリー新聞に記事を掲載していただきました。
−−ここで改めて、SDGsの進捗(しんちょく)状況について教えてください。
〈難波〉国連は毎年、SDGsの進捗状況を「SDGsレポート」として発表しています。このコロナ禍によってかなり停滞しているのですが、例えば、目標1「貧困をなくそう」は「新型コロナによって貧困対策における4年分以上の前進が帳消しになった」。
目標3「すべての人に健康と福祉を」は「世界全体で新型コロナに5億人以上が感染し、1千500万人が死亡した」。ほかにも、コロナ禍によって世界中で学習の危機が深刻化してしまったことなどが発表されています。
SDGsは2030年の達成を目指していますが、皆さん、必要なペースから今どれくらい遅れてると思いますか。米国のシンクタンクの発表によると、なんと60年以上遅れてしまっていて、2092年までに達成できない状況にあるそうです。
−−この厳しい状況を相田さんはどう受け止めていますか。
〈相田〉この3年間、私たちの活動も新型コロナの影響でかなり制限され、大きなブレーキがかかりました。2030年まで残り7年でSDGs目標を達成することは、到底無理な話だと思います。
しかし、世界では年間500万人の子どもたちが、5歳の誕生日を迎える前に亡くなっています。今この瞬間も6秒間に1人、幼い命が失われているのです。
では私たちに何ができるのか。かつて私たちに脱脂粉乳が届いたように、医薬品などを現地の子どもたちに届けなくてはいけません。
ミャンマーでは年間3000人の子どもたちが失明しています。原因は環境もありますが、ビタミンA不足もその一つです。ビタミンAには目を保養し抵抗力を付ける働きがあります。ビタミンAの錠剤を現地に送ろうと、皆さんに募金を呼び掛けています。
また、トルコ・シリア大地震の影響で、約200万人がいまだに屋外でテント生活をしています。ユニセフは屋外用テントの備品、筆記用具や教科書などをバッグに詰めたもの、寒い時に必要な暖房器具や衣服などを送るために、募ったお金を物に換えて現地に送っています。
日本は蛇口をひねると、きれいで安全な水がすぐ出てきます。しかし世界では4、5億人という人たちが安全な水を飲めず使えません。そのため、周りにある水たまりや川、沼の水をそのまま飲むような厳しい状況です。ユニセフは、汚れた水をきれいにする薬剤も送っています。
エチオピアなどの高原地帯では水がなかなか手に入らないため、小学生や中学生の女の子が水運びの仕事をさせられています。
水が出る場所まで片道約8キロを2時間かけて行きます。水がめは水が腐らないように真ちゅうでできていて重さは2、3キロ。その水がめを頭に乗せて水が出る場所まで行き、水をくむと重さは約15キロになります。
この仕事を毎日しているそうです。そうなると当然、時間がかかり学校には行けません。ユニセフはそのようなところにも目を向けて、きれいな水を送るだけではなく、現地の人に機材を提供して井戸を掘る技術を指導することにも取り組んでいます。
〈難波〉5歳未満で亡くなる子どもの数を教えていただきましたが、死因の第1位がマラリア、第2位が下痢です。水をきれいにする支援はもちろん、自分たちの力で生きていくことを指導することで死を防ぐことができるかもしれません。
また、私たちは気温が高い日でも屋内にいれば涼しく過ごせます。しかし、開発途上国の人や支援を受けられない人は、暑さから逃れることができません。気候変動を引き起こしているのは私たちです。苦しんでいるのは彼らです。
SDGsを知ることで自分自身と関連があることが分かり、何かに取り組むことで未来をつくるきっかけになります。その結果、自分事として考えるようになると思います。
〈相田〉自分たちの世代から次の世代に美しい地球、優しい地球を手渡すという意味では、自分事として考えて何かをしなければいけないと思います。
−−物資やお金はどのような流れで現地に届くのですか。
〈相田〉集まったお金は郵便局で1円単位で精算してもらい、東京都の日本ユニセフ協会に送り、そこから米国ニューヨークにある国連本部に送り、緊急性の高い順に物資やお金が現地に届けられます。
国内では昨年1年間で、一昨年と比べて4割増しとなる約334億円が寄せられました。ロシアのウクライナ侵攻で、子どもたちの悲惨な状況が連日報道されたことも相当影響していると思います。
〈難波〉県ユニセフ協会への募金も多くなったそうですね。
〈相田〉例年は300万円前後ですが、昨年はその3倍の約990万円が集まりました。
〈難波〉募金はハードルが高く、気恥ずかしいイメージを持っていましたが、募金が生活の一つになってきたように思います。
−−ボランティアに参加した若い人たちに、何か変化を感じますか。
〈相田〉自分事として考えるようになっていると感じます。今の若い人たちは、食品ロスをなくすために無駄なものは買わないようにしたり、節電節水をしたりすることを本当によく考えています。それが行動につながり、募金にも協力的になるのではないでしょうか。
私は先日、ユニセフラブウオークに参加し、県総合運動公園を1時間半ほど歩きました。汗をかいて世界の子どもたちを支援するという企画で、約70人が参加しました。参加費は500円で、半分の額が募金に充てられました。歩くことで国際貢献につながりました。
〈難波〉募金に対する信念や志は大事ですが、それが生活になじんで文化になる流れが、今とても強くなっているように感じます。自分の良いが世界、未来の良いにつながっていくという活動をユニセフが率先してチャレンジしてくださっているおかげで、その活動に参加したい人が増えています。そんな社会の変化をとてもうれしく感じます。
−−最後に、リスナーの皆さんに伝えたいことはありますか。
〈相田〉私たちは現在、青く素晴らしいこの地球を無責任に汚して壊している状態です。もう一度みんなで立ち止まり、改めてSDGsとは何なのかを考えて、私たちができることからやっていきたいと思っています。
〈難波〉私はSDGsを啓発してきましたが、きっかけは「愛は地球を救う」というテレビ番組です。17歳の夏でした。その時にがくぜんとしました。「同じ地球でこんな格差があるんだ」と知って、進学する大学を選びました。それから30年たち「一つも良くなっていない。もっと悪くなっている。私は何をやっていたんだ」と気付きました。
しかし、相田さんの話を聞いていて希望が見えました。一人ではなく、みんなが取り組もうとしています。一人一人が自分事として捉え、若い人たちが光になってくれています。私たち大人も頑張らなきゃいけないなと思います。
(おわり)
■第27回の内容■
〈テーマ〉「海の森を守る藻場再生プロジェクト」
〈ゲスト〉海を守ろう有志の会(日向市)会員の徳永博樹さん、岩本愛さん
〈放送日〉6月15日午後1時から
〈再放送〉6月22日午後8時から、同25日午前11時からの2回