ＳＮＳの危険性を指摘

弁護士が土々呂中で法教育

◆延岡市教委、今年度全３回を予定

　弁護士による授業を通して法的なものの見方や考え方を学ぶ「第１回法教育」は２３日、延岡市土々呂町の土々呂中学校（石井豊久校長、３８０人）であり、３年生がＳＮＳ（ソーシャルネットワーキングサービス）にまつわるトラブルについて理解を深めた。主催は同市教育委員会。

　講師を務めた弁護士法人リレーション（東京都）の川義郎代表弁護士は、ＳＮＳでは発言や画像・動画を容易にネット上にアップできることから、「それらが残ってしまい、拡散したり検索されたりする恐れがある」と危険性を指摘。ＳＮＳにまつわるトラブルは、表現の自由やプライバシー権など人権と人権のぶつかり合いで、対応や解決が困難なケースも少なくないとし、「今の世の中は何が『危険』なのかが分かりにくくなっているが、少しでも危ないかなと思ったらその行為はやめておいた方がいい」と警鐘を鳴らした。

　また、そうしたトラブルからいじめへとつながるケースが多い点にも触れ、「ＳＮＳを利用する際にルールを作って順守し、トラブルを防ぐことが大切。得意分野を突き詰めるなどの『自分磨き』がいじめから身を守ってくれることもある」と呼び掛けた。

　ふだんから複数のＳＮＳを利用しているという真野愛子さん（１４）は「知らず知らずに自分がトラブルを生むような行為をしているかもしれないと思った。今後はもっと注意しながら使っていきたい」と話した。

　市教委によると、弁護士による学校巡回法教育の実施は今回が初めて。今年度は中学校を対象に全３回を予定している。