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新型コロナが増加

本紙掲載日:2023-06-21
3面

県内5校で学年・学級閉鎖−延岡市内の小学校1校も

 新型コロナウイルスの感染が県北でも再び広がりつつある。延岡市内では今週に入り小学校1校で新型コロナによる学級閉鎖が出ており、各市町村や医師会などは注意を呼び掛けている。

 直近の県感染症週報第23週(5〜11日)によると、定点医療機関(58カ所)から報告された平均患者数は1週間当たり4・1人で、前週から37%増加した。

 このうち、日向保健所管内は3・86倍(7・17人)増の定点当たり9・67人と急増し、県が県内7医療圏域ごとに発出する注意喚起の区分で日向・東臼杵圏域が初めて「黄圏域」(定点当たり5人以上)に該当。さらに1段階上の「オレンジ圏域」(同10人以上)に迫っている。

 一方、延岡市が市医師会の協力医療機関から報告を受けて独自に集計している陽性者数は、19日までの1週間で計133人に上り、前週から56人(72・7%)増加。5月上旬との比較では5倍以上も増えているという。

 県教育委員会によると、新型コロナによる公立学校の休業措置は今週に入って相次ぎ、20日には県内2校が学年閉鎖、3校が学級閉鎖を実施。このうち県北は延岡市内小学校の学級閉鎖のみだが、なおも拡大する恐れがあり、関係者は警戒を強めている。

◇極めて感染力強いXBB系統が流行

 県衛生研究所のゲノム解析で検出された新型コロナウイルスは全国同様に、「第8波」の主流だったオミクロン株のBA・5から、新たなオミクロン株亜種のXBB系統へと置き換わっている。

 感染症が専門の佐藤圭創医師(延岡市新型コロナ対策アドバイザー)によると、特にインドや北米由来のXBB1・16は極めて感染力が強く、今後の主流になると見込まれるという。

 XBB1・16は抗体を擦り抜ける免疫回避性に優れ、人から人への感染拡散力も強く、過去に新型コロナに感染した人も簡単に再感染することが分かっている。

 ただ、現在、進められているオミクロン株対応2価ワクチンでも50%近い感染防止効果、重症化や死亡率を8割以上抑える効果が確認されており、「高齢者など対象者は早く、できれば今月中の接種をお勧めします」と呼び掛けている。

 また、延岡市医師会も疑わしい症状がある場合は、後遺症予防の観点からも早めの受診・検査と治療を推奨。市町村は感染拡大のピークに備え、市販の検査キット(国承認)や解熱鎮痛薬、食料・飲料品などの備蓄を呼び掛けている。

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