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新型コロナ週刊トピック

本紙掲載日:2023-07-01
2面

定点当たり7・22人−県内、前週から23%増加

 県の感染症週報第25週(6月19〜25日)によると、県内で新たに確認された新型コロナウイルスの感染者数は定点当たり7・22人で、前週から23%増加しました。同25日時点の入院患者は54人(前週比3人減)で、重症者はいません。

◆日向・東臼杵「黄圏域」に改善

 県内7医療圏域ごとの新規感染者数で、日向・東臼杵圏域は定点当たり9・17人と前週から10・9%減少。県が設定する注意喚起の区分は前週の「オレンジ圏域」(基準値=定点当たり10人以上)から「黄圏域」(同5人以上)に改善しました。

 一方、延岡・西臼杵圏域は前週の同4・56人から92・5%増の同8・78人となって再び「黄圏域」入りしたほか、宮崎・東諸県(同8・50人)、西都・児湯(同7・33人)、日南・串間(同6・60人)の3圏域も2週連続で「黄圏域」となりました。

 県内の定点医療機関から報告された新規感染者数の年代別割合は多い順に、10〜14歳が18%▼5〜9歳が14%▼5歳未満と30、40代が各10%▼15〜19歳と60代が8%▼50代7%▼20代と70代が6%▼80代以上が3%でした。

◇延岡市は84人増加

 延岡市が独自に集計している新型コロナの週報によると、先週1週間(6月19〜25日)に協力医療機関から報告された新規感染者数は209人で、前週から84人(67・2%)増加しました。

 日別では、19日28人▽20日30人▽21日34人▽22日29人▽23日24人▽24日35人▽25日29人となっています。今週に入ってからは連日、前の週を上回る感染者数が報告されているため、次週の週報はさらに増加幅が拡大する見込みです。

◇すでに「第9波」入りした可能性

 感染症が専門の佐藤圭創医師(延岡市新型コロナ対策アドバイザー)によると、現在の感染者数は「第8波」の入り口となった昨年12月前半と同水準にあり、予想していた7月初旬より早く「すでに第9波に入ったと考えていい」と話しています。

 週報第25週(6月19〜25日)で定点医療機関当たりの感染者数は全国平均が6・13人と、前週の同5・60人からさらに増加しました。沖縄県は同39・48人で医療提供態勢がかなり逼迫(ひっぱく)しているほか、鹿児島県も同11・71人など、九州南部を中心とする感染拡大が顕著となっています。

 延岡市では、1人から何人に感染しているかの指標となる実効再生産数が1・64で、今後の増加傾向を示す「1」を超え、急増の兆候となる「1・2」も大きく上回りました。

 過去に感染した人でも容易に再感染してしまうとされるオミクロン株亜種のXBB1・16が急速に拡大しているとみられます。同ウイルスは免疫を擦り抜ける能力だけでなく、細胞と結合する力も強く、感染力は過去最強とされています。

◇第8波しのぐ爆発的流行も

 佐藤医師によると、XBB1・16のタンパク質を性状分析した結果、過去に流行したBA・2の性質を受け継いでいて、現状のオミクロン株対応ワクチンでも死亡リスクを86%、入院リスクも81%抑えられるなど、十分な効果あることが確認されたといいます。

 当初の予想よりも急速に感染が拡大している状況から第8波をしのぐ爆発的流行が起こる可能性は十分にあり、市町村や医師会は高齢者や基礎疾患がある人などへ、この時期のワクチン接種を検討してもらえるよう呼び掛けています。

 これまで副反応が強かったり不安があって接種を迷っている人に対しては、あらかじめ投薬して副反応を抑えることができるため、かかりつけ医に相談するよう案内しています。また、非常に副反応が小さいとされるノババックス・武田製の組み換えタンパクワクチンもあり、接種予約の際にコールセンターなどへ相談するといいそうです。

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