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水難事故防止−座学と実践で学ぶ

本紙掲載日:2023-07-11
3面
ランドセルやペットボトルなど、身近な物を使った救助を実践

ターザンが特別水泳教室

 延岡市浜町のフィットネスクラブ「ターザン」(塚元博文社長)は1日から7日まで、「水難事故防止・特別水泳教室」を開いた。同クラブに通う小学生以下の児童のほか、会員ではない子どもたちも7日間で計30人ほど参加した。水遊びの機会が増える夏休みを前に毎年開催しており、今回で27回目となった。

 プールに入る前に座学があった。同クラブコーチが参加した子どもたちを幼児(3〜6歳未満)と小学生(6〜12歳)に分け、年齢に合わせて講義を行った。小学生は、波風の影響で海岸から沖へと起こる強い流れ「離岸流」に巻き込まれた際の対処法などを学んだ。具体的な解説に真剣な表情で耳を傾けていた。

 幼児を対象にした講義では、人気キャラクターが登場する「紙芝居」を使って説明した。川に遊びに来て、溺れそうになってしまった友達をさまざまな知識を駆使して、救うという内容。「大きな声で大人を呼ぶ」「浮く物を溺れている人に投げる」といった救助のポイントが物語の中で紹介され、子どもたちは楽しみながら学習した。

 プールでは、先ほど学んだことを実践。ランドセルなどの身近な物が救助に使えること、ペットボトルを要救助者に渡すためには少し水を入れた方が遠くまで届くことなど、実際に体験することで見えてくる発見に子どもたちは驚いていた。ペットボトルを抱えて泳ぐ方法なども教わり、救助をする側とされる側の両方を体験した。

 座学と実践の両方で繰り返し教えたのは「自分で泳いで何とかしようと思わない」こと。助けるとしても、自分が泳いで行ってはならない。溺れたときにも、泳ぐのではなく「浮いて待つ」ことを徹底するよう指導していた。

 重本悠晴さん(9)=東海東小=は「水遊びに行く時には浮輪やペットボトルなどの浮く物を持っていこうと思いました。自分一人で何とかしようと思わずに、落ち着くことを優先したいです」と、学んだことを振り返った。

 岩下洋通支配人は「水難事故ではちょっとしたミスが命取りになる。慌てないために、知って体験しておくことが大切。繰り返し勉強して身に付けてほしい」と話した。

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